川崎市は8月30日、JR南武線を高架化する連続立体交差事業(連立事業)と連立事業に関連する都市計画道路について、都市計画の変更を決定して告示した。これにより連立事業の都市計画法上の手続きは事業認可の段階に入る。
南武線は矢向~武蔵小杉の線路の高架化が川崎市の都市計画で位置付けられた。幸区の塚越4丁目(横浜市界)から鹿島田1丁目を経て中原区の上丸子山王町2丁目までの約4400mの都市計画を変更。このうち幸区塚越3丁目~中原区下沼部の約3570mは構造方式をかさ上げ式(高架)とした。高架化に際しては別線高架工法を採用するため、線路の位置は現在の地上線よりやや西側にずれる。
都市計画道路は、矢向鹿島田線と大田神奈川線、古市場矢上線、塚越南加瀬線を変更するとともに、区画街路13・14号と南武沿道1~6号線(自転車歩行者専用道路)の追加を行った。
川崎市は今後、連立事業の事業認可の手続きを進め、本年度2024年度中には事業に着手する方針。現在の想定スケジュールによると、高架化に必要な用地を2028年度までに取得するとともに、変電所の移設工事を2025年度から2028年度にかけ実施する。
線路の高架化工事は2029年度から開始。まず下り線の高架化工事を進め、2033年度中に下り線を高架線に切り替えて「開かずの踏切」を解消する。続いて上り線の高架化工事に着手し、2038年度に高架線に切り替えて9カ所の踏切を解消。その後は地上施設の撤去を行って2039年度の完成を目指す。関連道路の工事は2034年度から2042年度にかけ実施する予定だ。
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