新大阪~長崎「4時間切り」西九州新幹線の開業で短縮、9月23日ダイヤ改正



JR九州は6月10日、西九州新幹線の開業にあわせ実施する9月23日のダイヤ改正の概要を発表した。博多~長崎間を結ぶ在来線特急と新幹線「かもめ」の連絡本数は上下計44本で、現在の在来線特急「かもめ」と同程度の本数を確保する。

武雄温泉駅の「対面乗換」のイメージ(アモイ北駅・肥前浜駅・大村車両基地で撮影の写真を加工)。博多方面の在来線特急(右)と長崎方面の新幹線列車(左)を同じホームで乗り換えできるようにする。【撮影:草町義和、加工:鉄道プレスネット】

西九州新幹線「かもめ」は上下計47本を運行。このうち44本が武雄温泉~長崎間の全区間を走行し、1時間あたり上下各1~2本が運行される。このほか、新大村~長崎間の区間運転列車を朝に下り2本、夜に上り1本運行し、通勤通学利用者の利便性確保を図る。車両はN700Sの6両編成を使用する。

武雄温泉~長崎間を走る列車の途中駅停車パターンは各駅停車(25本)のほか、一部の駅を通過する速達型も設定。諫早駅のみ停車する列車(7本)と新大村・諫早の2駅に停車する列車(12本)が運行される。嬉野温泉駅に停車するのは各駅停車のみで25本になる。新大村~長崎間の列車は各駅に停車する。

博多~武雄温泉~長崎間の停車駅パターン。【画像:JR九州】

在来線の博多~武雄温泉間では特急「リレーかもめ」を新設し、上下計34本を運行。車両は885系6両編成と787系8両編成を使用する。ほかにも博多~佐世保間の特急「みどり」や博多~ハウステンボス間の特急「ハウステンボス」を引き続き運行。このうち上下計10本は武雄温泉駅で西九州新幹線「かもめ」との連絡を図り、列車名を「みどり(リレーかもめ)」「ハウステンボス(リレーかもめ)」とする。これにより武雄温泉発着の「かもめ」44本はすべて、博多方面からの在来線特急との連絡が図られる。

9月23日ダイヤ改正後の運行体系。【画像:JR九州】
博多~武雄温泉~長崎間の片道1時間あたり運行体系イメージ。【画像:JR九州】

武雄温泉駅での在来線特急・新幹線の乗り換えは「対面乗換方式」を採用し、同じホームで乗り換えできるようにする。また、在来線特急と新幹線を乗り継ぐ場合、切符は1枚で発売する。

所要時間は30分短縮され、博多~長崎間(乗換時間含む)は最短で1時間20分。新大阪~長崎間(博多駅と武雄温泉駅の乗換時間含む)は最短3時間59分で4時間を切る。このほか、特急「みどり」32本中10本に振り子式車両の885系が導入されるため、博多~佐世保間の最短所要時間がいまより9分短い1時間34分になる。

博多~長崎間を結ぶ現在の在来線特急「かもめ」は、西九州新幹線に列車名を移す形で廃止される。一方、門司港・小倉・博多~佐賀・肥前鹿島間を結ぶ在来線特急「かささぎ」が新設され、博多~佐賀間で下り1本・上り2本、博多~肥前鹿島間で上下各7本が運行される。車両は885系6両編成と787系6・8両編成、783系8両編成を使用。列車名は佐賀県の県鳥でカチガラスとも呼ばれているカラス科のカササギにちなんだ。

《関連記事》
西九州新幹線の運賃・料金が認可 諫早~長崎は在来線と同一距離扱い
新観光列車「ふたつ星4047」運行日や停車駅など決定 西九州を6時間弱で一周