西九州新幹線N700S「かもめ」海上輸送・陸送まとめ 山口→長崎、300km以上



西九州新幹線・武雄温泉~長崎間(約66km、2022年秋頃開業予定)の列車「かもめ」に導入される電車「N700S」。最初に完成した編成(Y1編成、6両)が1月6日から11日にかけ、製造メーカーがある山口県から長崎県の車両基地まで輸送された。その行程をまとめた。

日立製作所笠戸事業所を出港した「かもめ」N700Sの台船。【画像:JR九州】

日立製作所の工場を「出港」(1月6日夕方)

「かもめ」向けN700Sは日立製作所の笠戸事業所(山口県下松市)で製造。西九州新幹線の車両基地である大村車両基地(長崎県大村市、新大村駅から武雄温泉寄り約2.5km)までは直線距離でも約210kmある。今回の輸送では、笠戸事業所から川棚港(長崎県川棚町)まで約320kmを海上ルートで運び、同港から大村車両基地まで約25kmを陸送した。

1月5日、台船(海上での作業や重量物の運搬に使う箱型の船)「白龍」への積み込み作業を開始。まず先頭車2両が積み込まれ、続いて中間車4両と台車が搭載された。

まず先頭車2両を積み込み。【画像:JR九州】
続いて中間車の積み込み。【画像:JR九州】
6両の積み込みが完了。【画像:JR九州】

出港は当初1月6日12時頃の予定だったが、海上の状態が悪く17時頃に出航。台船には動力がないため、タグボート「雄昌」にえい航されて瀬戸内海に繰り出した。

タグボートにえい航され瀬戸内海を進むN700S。【画像:JR九州】

玄界灘で見学ツアー(1月7日昼)

N700Sを載せた台船は1月7日未明に関門海峡を通過し、玄界灘へ。同日午後、博多港からやってきたJR九州高速船の高速船「QUEEN BEETLE(クイーンビートル)」が近づいてきて、40分ほど台船の周囲を遊覧した。船からN700Sを見学しようという趣旨のツアーだ。

針尾瀬戸を通過(1月8日朝)

台船は平戸瀬戸を抜け、1月8日朝の8時半過ぎには針尾瀬戸を通過。針尾瀬戸に架かる西海橋では、大勢の鉄道マニアが海上輸送中のN700Sの姿を撮影していたという。

川棚港に到着・歓迎セレモニー(1月8日午前・1月9日)

大村湾に入った台船は川棚港へ。1月8日10時頃に着岸した。翌1月9日に陸揚げされ、歓迎セレモニーが行われた。

大村車両基地に陸送(1月10日未明)

川棚港から大村車両基地までは残り約25km。日付変わって1月10日の0時30分以降、まず3両がトレーラーにけん引されて1両ずつ川棚港を出発した。国道34号を走り、大村車両基地には3時30分頃に到着。残り3両も翌1月11日、大村車両基地に搬入された。

2021年12月に笠戸事業所で報道公開されたN700S「かもめ」。【画像:JR九州】
N700S「かもめ」の車内。【画像:JR九州】
車内には大型荷物置き場も設置されている。【画像:JR九州】

「かもめ」用のN700Sは24両(6両編成4本)が導入される計画。残り3本の編成の今回と同様の形で海上輸送と陸送が行われるとみられる。西九州新幹線の秋頃の改良に向け、車両の準備も最終段階を迎えた。

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