川崎市はJR南武線・矢向~武蔵小杉を高架化する連続立体交差事業(連立事業)で、用地取得業務の一部を民間事業者に委託する方針を固めた。用地取得の効率化などを目指す。
川崎市によると、高架化に必要な土地は約250件で地権者は約310人を想定。2022年度に実施した土地所有者などに対してのアンケート調査では、移転先についての情報提供の要望に加え、不要な家財の処分が不安といった回答が寄せられた。
こうしたことから用地取得業務は川崎市の職員に加え、用地取得関係業務の実績がある民間事業者に一部を委託。これにより用地取得を効率的・効果的に推進するとともに、移転先に関する相談なども民間事業者のノウハウを活用することを検討しているという。
川崎市は来年2025年1月に事業者の公募を実施して3月に事業者を決定。4月から業務委託を開始する考えだ。これに先立ち事業者からの意見や提案を収集するサウンディング型市場調査を今年2024年8月に実施する。
この連立事業は矢向駅から武蔵小杉駅までの約4.5kmを高架化し、9カ所の踏切を解消するもの。現在は都市計画決定と環境影響評価の手続きが進められている。川崎市の想定では2024年11~12月ごろに事業認可を受け、用地取得を進めて2029年度に高架化工事を開始。2038年度の高架化完了と2039年度の事業完了を目指す。総事業費は約1387億円。
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