只見線・会津川口~只見間の復旧工事完了は2022年度上半期の見込み 地質条件を考慮



JR東日本の仙台支社は8月26日、水害で長期運休中の只見線・会津川口~只見間(福島県)について、復旧工事の完了見込みを2022年度上半期と発表した。これまで2021年度中をめどに完了させる予定だったが、延期される。

只見線を走るキハ40。現在は車両の置き換えによりキハE120形が走っている。【画像:croissant./写真AC】

仙台支社によると、第6只見川橋りょうの橋桁架設工事で、架設用ケーブルを支える基礎の部分の地質が想定よりも悪いことが判明。工法を再検討して全体の工程への影響を精査し、復旧工事の完了見込みを変更することになったという。仙台支社は復旧工事の完了後、訓練運転などを実施。2022年中の運転再開を目指すとしている。

只見線は、会津若松~会津川口~只見~小出間(福島県・新潟県)の135.2kmを結ぶローカル線。2011年の豪雨で只見川の第5~第7橋りょうが流出するなどの甚大な被害が発生し、いまも福島県内の会津川口~只見間が運休中だ。

一時は鉄道を廃止してバスに転換することも考えられたが、福島県や沿線自治体の反対により、上下分離方式の導入を条件に復旧することが決定。再開後は線路などの施設を福島県が保有し、JR東日本は福島県から施設を借りて列車を運行する形になる。2018年6月に起工式が行われ、復旧工事が進められている。

流出した橋桁の架設が完了した第5只見川橋りょう。【画像:JR東日本】
橋桁の架設に向けた準備工事が進む第6只見川橋りょう。【画像:JR東日本】
橋桁の架設工事が進む第7只見川橋りょう。【画像:JR東日本】
橋りょう以外の線路も復旧工事が進められている。【画像:JR東日本】

仙台支社によると、第5只見川橋りょうは橋脚と橋桁の架設が完了し、軌道工事が進行中。第6只見川橋りょうは橋脚の工事が完了し、橋桁の架設に向けた準備工事が進められている。第7只見川橋りょうも橋脚の工事が完了しており、橋桁の架設が進められている。橋りょう以外で斜面崩落などの被害が発生した場所でも、斜面や盛り土の復旧工事、枕木の交換などの軌道工事が進行中だ。