年末年始の終夜運転「実施」「ほぼ実施」「中止」判断分かれる 2021~2022年



関東や関西の鉄道各社は、今年2021年12月31日夜(大みそか)~来年2022年1月1日朝(元旦)の終夜運転などの計画を相次いで発表している。新型コロナウイルスの感染状況は落ち着いており国や自治体からの中止要請も出ていないが、実施と中止で判断が分かれている。

終夜運転のイメージ。【作成:さかいあきよ】

関東では京成電鉄が京成本線・押上線・金町線で終夜運転を計画。京成上野~京成成田間の特急「シティライナー(成田山開運号)」も運転する。京王電鉄は京王線を中心に終夜運転を実施し、新宿→高尾山口間の座席指定列車「京王ライナー迎春号」も運転する。

東武鉄道・西武鉄道・京急電鉄・相鉄は終夜運転を実施しないと発表。東急電鉄は12月31日の終電後に東横線・田園都市線で渋谷発の臨時列車を各1本運転すると発表したが、終夜運転については実施しないことを鉄道プレスネットの取材で明らかにした。

小田急電鉄は終夜運転を実施しないと発表したが、1月1日早朝は新宿→片瀬江ノ島間を結ぶ特急ロマンスカー「ニューイヤーエクスプレス」を2年ぶりに運転する計画。町田→片瀬江ノ島間の臨時普通列車1本と、この列車の折り返しになる片瀬江ノ島→藤沢間の臨時普通列車も運転する。

1月の臨時列車は、東武鉄道が1月1~3日に東武大師線の列車を増発。京急電鉄も1月1~10日に京急大師線で増発する。京成電鉄は1月1~3日の期間、金町線と京成本線・京成臼井~京成成田間で増発。「シティライナー(成田山開運号)」も1月の土曜・休日に運転する。

関西では近鉄が終夜運転の実施を発表。名古屋寄りの路線を含むほぼ全域で一般列車による終夜運転を行い、特急列車の終夜運転も行う。

一方、JR西日本・阪急電鉄・京阪電鉄・阪神電鉄・南海電鉄などは終夜運転を行わないと発表したが、JR西日本は関西圏のおもな路線で3時頃まで終電を延長することを計画。ほぼ終夜運転に近い形になる。南海電鉄も南海本線・難波~高石間で2時半頃まで終電を延長する。

1月の臨時列車は近鉄が1月1~10日の期間、特急・一般列車の増発を実施。このほか、南海電鉄が1月1~3日、日中の急行を住吉駅に停車させる。

コロナ禍では初の年末年始になった2020~2021年は、一部の鉄道社局が規模を縮小しつつも終夜運転を計画。しかし新型コロナウイルスの感染が急速に拡大し、国や自治体も終夜運転の中止を鉄道各社局に要請したことから、一転してほぼ全面的に中止された。

年末年始の終夜運転は利用者が減っていたこともあり、もともとコロナ禍前から縮小傾向だった。西武鉄道は2007~2008年を最後に実施していない。中京では名鉄が2004~2005年を最後に終夜運転を終了。JR東海も2014~2015年を最後に終夜運転を行っていない。