川崎市はJR南武線の連続立体交差事業(連立事業)について、都市計画決定を延期する方針を決めた。これまで本年度2023年度末の決定を予定していたが、来年度2024年度に変更する。
この連立事業は南武線・矢向~武蔵小杉の約4.5kmを高架化する川崎市の都市計画事業。鹿島田・平間・向河原の3駅を高架化するほか、9カ所の踏切を解消する。当初は仮線工法を採用して高架化を図る計画だったが、コロナ禍を受けて実施した計画の見直しにより、工費節減や工期短縮を図ることができる別線高架工法に変更した。関連道路の整備を含む総事業費は約1387億円を見込む。
川崎市によると、別線高架工法への変更に伴い鉄道と道路の重複部分は道路法の区域外としたが、国の助言を受けて道路法の区域として検討することにした。このため高架下の利用方法について関係者との調整が改めて必要になったほか、鉄道施設が道路の占用物件になることから国や鉄道事業者との調整も必要で、都市計画決定を2024年度に先送りすることにしたという。
その後の工程の想定はほぼ従来通り。都市計画決定後、2024年度中に事業認可を受けて事業に着手する。2024年度から2028年度にかけ高架化に必要な用地の取得するともに、2025年度から2028年度まで変電所の移設工事を実施。2029年度に下り線の高架化工事を開始し、2033年度中に下り線を高架線に切り替える。
続いて上り線の高架化工事を実施し、2038年度中には線路の高架化を完了。その後は地上線の撤去工事を行って2039年度の完成を目指す。関連道路の工事は2034年度から2042年度にかけて行う予定だ。
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