川崎市は1月18日、「JR東日本南武線連続立体交差事業(矢向駅~武蔵小杉駅間)」の環境影響評価審査書を公告した。環境影響評価の手続きが最終段階に入った。
この連続立体交差事業(連立事業)は南武線の矢向~武蔵小杉を高架化して9カ所の踏切を解消するもの。総事業費は約1387億円。審査書によると、工事がおおむね16年と長期間に及ぶとし、環境保全のための措置を徹底するよう求めている。
騒音については、工事期間中は工程や作業時間、工事用車両の運行時間などを工事着手前に周辺住民などへ周知するよう要求。また、高架化で騒音の影響が大きくなる地点の評価結果を示すよう求めた。
環境影響評価審査書は同市の環境影響評価条例に基づく文書。開発指定行為者が提出した環境影響評価準備書などを川崎市長が環境保全の見地から審査して作成し、開発指定行為者に送付する。この場合の開発指定行為者は連立事業の実施主体になる川崎市のため、川崎市が提出した準備書などを川崎市長が審査し、川崎市に送付する。
南武線高架化の環境影響評価手続きは昨年2023年1月に準備書が提出され、これまで準備書の説明会や公聴会が開催された。川崎市は審査書の公告を受け、事業化前の手続きとしては最終段階になる評価書の作成に入る。
都市計画の手続きは本年度2023年度末に都市計画決定が行われる見込み。現時点のスケジュールでは、来年度2024年度の事業認可を経て用地買収に着手する。2029年度から下り線の高架化工事を開始。下り線の切替後、2033年度から上り線の高架化工事に入り、2039年度には上下線の高架化が完成する想定だ。
《関連記事》
・南武線・矢向~武蔵小杉の高架化「8両編成」対応のスペース確保へ
・南武線・武蔵溝ノ口駅の自由通路「木質化」川崎市がイメージ公表