南武線・矢向~武蔵小杉の高架化「8両編成」対応のスペース確保へ



川崎市はJR南武線・矢向~武蔵小杉の連続立体交差事業(連立事業)について、高架化する3駅は8両編成に対応できるよう整備する方針を固めた。2月4日から始まった環境影響評価準備書の説明会やオープンハウスで明らかにした。

連立事業により高架化される南武線の向河原駅。【撮影:草町義和】

この連立事業は矢向駅の先から武蔵小杉駅の手前まで約4.5kmを高架化し、踏切9カ所を解消するもの。途中の鹿島田・平間・向河原の3駅も高架化される。現在の南武線の列車は6両編成で、連立事業も6両編成での運行を前提に計画されている。川崎市は2039年度の事業完了を見込む。

川崎市によると、高架化される3駅は8両編成分のスペースを確保。最初から8両分の長さでホームを整備するか、あるいはスペースだけ8両分確保しておいて当初は6両分のホームを整備するかどうかは今後の検討課題という。

高架化後の鹿島田駅のイメージ。【画像:川崎市】

南武線の混雑率(武蔵中原→武蔵小杉、7時30分~8時30分)は2019年度で182%。列車の運行本数が同年度と同じなら、単純計算で混雑率は7両編成で156%、8両編成で131%に下がる。一方、コロナ禍の2020・2021年度の混雑率は120~121%で、コロナ禍前の輸送量で8両編成化を図る場合と比べても大幅に低下した。

連続立体化されておらず連立事業の計画もないほかの区間では、ホームのすぐそばに踏切がある駅が多く、ホームの延長が困難。矢向~武蔵小杉の高架化が実現しても、すぐに車両数を増やすのは難しいとみられる。

環境影響評価準備書の説明会は2月11日までに終了。最後のオープンハウスは2月13日の10~16時、旧新川崎・鹿島田周辺整備事務所(鹿島田駅そば)で開催される。

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