広島電鉄の新乗車システム本格開始「2024年9月7日」全国ICカードの対応は?



広島電鉄は7月5日、広島エリアの公共交通の新しい乗車券システム「MOBIRY DAYS(モビリーデイズ)」について、導入スケジュールを発表した。7月20日から一部のバスに導入し、9月7日から広島電鉄の路面電車なども含め本格導入する。これに伴い交通系ICカード「PASPY(パスピー)」はサービスを終了する。

2024年9月から新乗車券システム「MOBIRY DAYS」が導入される広島電鉄の電車。【撮影:草町義和】

MOBIRY DAYSはスマートフォンにインストールした専用アプリでQRコードを表示し、これを読取機にかざすことで電車やバスを利用できるようにする乗車システム。スマートフォンを持っていない場合などは専用ICカード(1枚500円)を購入することで利用できる。

MOBIRY DAYSのサービス開始スケジュールは次の通り。

2024年7月20日4時~

●MOBIRY DAYSアプリダウンロードとウェブサイト利用開始

2024年7月20日始発~

●次のバスにMOBIRY DAYS導入
・広島電鉄(バス):広島~三次・庄原・東城線
・備北交通:全線(高田南部線・東城市街地循環バス・東城廃止代替バス除く)

2024年9月7日始発~

●次の電車・バスにMOBIRY DAYS導入
・広島電鉄(電車):全線
・広島電鉄(バス):全線(松江線・米子線除く)
・芸陽バス:全線(安芸津海風バス除く)
・備北交通:全線(東城市街地循環バス・東城廃止代替バス除く)
・ボン・バス:全線

MOBIRY DAYSの基本仕様。スマホに表示させたQRコードか専用ICカードを読取機にかざすことで利用できる。【画像:広島電鉄】

このほか、宮島松大汽船や宮島ロープウェー、呉市生活バスもMOBIRY DAYSを導入する予定。アストラムラインはMOBIRY DAYSを導入しないが、JR西日本の全国交通系ICカード「ICOCA(イコカ)」が導入済みだ。広島バス・広島交通・中国JRバスの3社はPASPY導入路線に来年2025年3月30日からICOCAを導入する。

PASPYのサービスはアストラムラインが今年2024年11月30日をもって終了。それ以外の電車やバス、航路、ロープウェイも2025年3月29日までに終了する。

アストラムラインはPASPYからICOCAに移行。MOBIRY DAYSは導入しない。【画像:三菱重工】

PASPYは別の交通系ICカードのエリアで利用することはできないが、ICOCAやSuica(スイカ)など全国交通系ICカードはPASPYエリアで利用できる。PASPY終了後のMOBILY DAYS導入エリアではICOCAの簡易型端末を導入し、引き続き全国交通系ICカードを利用できるようにする。ただし電車・バス車内でのチャージには対応しない。

全国交通系ICカードは導入コストが高く、地方の公共交通では別の決済システムを導入する動きが強まっている。2024年5月、熊本県内のバス5社はクレジットカードなどのタッチ決済を2025年4月以降に導入する計画を発表。交通系ICカードは地域限定型の熊本地域振興ICカード(くまモンのIC CARD)のみ対応し、全国交通系ICカードのネットワークから離脱することを決めている。

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