南武線・稲田堤駅の橋上化「8月6日」発メロ『丘を越えて』に 自由通路は一部遅れ



川崎市とJR東日本の横浜支社は8月6日の始発から、南武線・稲田堤駅で工事を進めてきた自由通路の一部と橋上駅舎の使用を開始する。同時に発車メロディーも地域にゆかりのある楽曲に変わる。

南武線の列車。【撮影:草町義和】

8月6日から使用が始まるのは、ホーム上に新設された橋上駅舎と自由通路の南側。エレベーターやエスカレーター、改札設備、トイレなどが設けられる。自由通路の北側は未完成のため、駅の北側から入る場合は当面のあいだ踏切を渡る必要がある。

2023年8月6日から新たに使用を開始する部分(赤点線枠)。【画像:川崎市・JR東日本】

同時に発車メロディーも川崎市民の要望に応えるとして、『丘を越えて』(作詞:島田芳文、作曲:古賀政男)に変更。神奈川県立多摩高校ギターアンサンブル部の生徒による生演奏を音源として使用し、各ホームでメロディーを変える。

『丘を越えて』は1931年に発表された、藤山一郎の歌唱による楽曲。古賀が稲田堤の多摩川河川敷と多摩川丘陵の風景に着想を得て作曲したといわれている。

稲田堤駅は川崎市北部にある南武線の駅。少し離れたところに京王相模原線の京王稲田堤駅があり、乗換客も多い。橋上化は2018年に川崎市とJR東日本が施行協定を締結して着工。橋上駅舎と自由通路南側の使用開始時期は当初の予定通りとなった。

橋上駅舎と自由通路がすべて完成したときの稲田堤駅のイメージ。【画像:川崎市】

一方、自由通路の北側は「コロナ禍やウクライナ情勢など、社会情勢の影響により、資材の納入時期の遅延、作業員のコロナ感染などの工事の施工体制に支障が生じた」(川崎市)ことから、完成時期が当初予定の2023年度末より3カ月ほど遅れ、来年2024年6月ごろに完成・使用開始となる見通しだ。

事業費(施行協定額)も当初は34億9000万円ほどとされていたが、建設資材の高騰などにより9400万円ほど増額の35億8000万円になる見込み。

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