東京都建設局は本年度2026年度から、恩賜上野動物園の東園と西園を結ぶ「新たな乗り物」の工事に着手する。廃止されたモノレールの代替となるもの。3年後の使用開始を目指す。

建設局が3月27日に公表した整備の詳細によると、新たな乗り物の軌道は距離が約340m、最大勾配が約2度。地面から車両床面までの高さを約14mとした高架軌道になる。駅は起点の東園駅と終点の西園駅のみで中間駅は設けない。西園駅は展示動物への影響に配慮し、不忍池に張り出す形で配置する。

走行方式はジェットコースターと同じ原理を採用。上り勾配はモーター駆動で走るが、下り勾配は条件により位置エネルギーを利用して走る。車両は長さ約21mの3両編成で定員(座席数)は60人。窓からの眺望に優れたデザインを採用する。バリアフリーに配慮し、車椅子やベビーカーでも乗車できるスペースを車内に確保する。

東園駅舎は建築面積と延床面積がともに約500平方mで高さは約9m。樹林に溶け込む曲線を活かしたデザインにする。駅舎内には「モノレールの思い出の継承」として、車両の部品やモノレールの歴史を記したパネルなどを展示する。

西園駅舎は建築面積が約600平方m、延床面積が約800平方m、高さが約15m。不忍池を一望できる開放的なデザインを採用する。1階にフードショップとギフトショップ、2階に展望テラス、3階に乗り場を配置。屋根にはソーラーパネルを設置する。

懸垂式モノレールは鉄道事業法の適用を受けた公共交通の扱いだったが、新たな乗り物は遊園地の遊具鉄道などに準じた扱いで鉄道事業法の対象外。2026年度から工事に着手し、2029年度の使用開始を予定している。新たな乗り物の名称は今後、公募する予定だ。

上野動物園では1957年、東園と西園を結ぶ都営の懸垂式モノレールが開業。園内輸送に加え、路面電車に代わる新しい都市交通システムの実験線としての性格も帯びていた。車両の更新を何度か行いつつ維持されたが、4代目車両の更新時期を迎えていた2019年に運行を休止。代替として新たな乗り物を整備することになり、モノレールは運行を再開しないまま2023年に廃止された。
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