京成成田スカイアクセス「複々線化」検討へ 幻の鉄道ある区間、速度向上と増発



京成電鉄は2月13日、「成田スカイアクセス新線整備計画」の検討に着手すると発表した。現在の成田スカイアクセス線の一部区間を複々線化し、増発に加え最高速度の向上と所要時間の短縮を目指す。

京成電鉄の特急スカイライナー。【画像:からのち/写真AC】

複々線化を検討するのは、北総鉄道北総線と線路を共用している区間のうち新鎌ケ谷~印旛日本医大の約20km。この区間の最高速度は現在130km/hだが、京成電鉄が公表したイメージによると、最高速度160km/hの新線を増設する。新線には京成上野~成田空港を結ぶ特急スカイライナーや、押上~成田空港の新型有料特急(2028年度運行開始予定)を走らせる。

現在の所要時間は日暮里~空港第2ビルでスカイライナーが最短36分だが、複々線化と速度向上により30分台前半に短縮することを目指す。新型有料特急は押上~空港第2ビルの所要時間が最短で30分台前半としていたが、複々線化と最高速度の向上を図る場合は20分台前半を目指す。また、スカイライナーと新型有料特急に加え、一般列車のアクセス特急や北総鉄道が運行する普通列車の増発も図る。

京成電鉄は「新型有料特急運行開始後の輸送力増強について検討する中で、成田空港周辺(成田湯川駅~成田空港駅)の単線区間の複線化に合わせ、スカイライナーおよび新型有料特急専用の成田スカイアクセス新線整備(複々線化)計画について、検討に着手することといたしました」としている。

複々線化のイメージ。【画像:京成電鉄】

新鎌ケ谷~印旛日本医大は、千葉ニュータウン内を東西に横断する鉄道用地を使用している。ニュータウンの計画時に通勤鉄道用地と高速鉄道用地がそれぞれ複線分確保された。

1973年時点の計画では、通勤鉄道用地を千葉県営鉄道北千葉線が使用。高速鉄道用地は小室~千葉ニュータウン中央を境に新鎌ケ谷寄りに北総開発鉄道(現在の北総鉄道)北総線、印旛日本医大寄りに成田新幹線を整備するものとしていた。このうち北総線が開業したが、成田新幹線は国鉄の経営悪化などを受けて中止されて幻に。北千葉線も建設費の増大などで新鎌ケ谷~小室が中止されて幻の鉄道と化したが、小室~印旛日本医大は実質的には北総線に編入する形で整備された。

千葉ニュータウン内に確保された鉄道用地(灰色)の1973年時点の計画。【作成:草町義和】
千葉ニュータウン内鉄道用地の現状。【作成:草町義和】
成田スカイアクセス線・北総線の白井駅付近(2010年)。線路の南側(右)に通勤鉄道用地が確保されている。【撮影:草町義和】
成田スカイアクセス線・北総線の千葉ニュータウン中央~印西牧の原(2017年)。線路の北側(右)に確保された高速鉄道用地にはメガソーラーが整備された。【撮影:草町義和】

この結果、通勤鉄道用地(新鎌ケ谷寄り)と高速鉄道用地(印旛日本医大寄り)が長らく未使用のままになっていた。成田スカイアクセス線の複々線化に際しては、これらの用地を活用することが考えられる。ただし高速鉄道用地(印旛日本医大寄り)は遊休地の活用策として2017年に大規模太陽光発電施設(メガソーラー)が整備されており、複々線化ではメガソーラー施設の撤去が必要になるとみられる。

《続報記事》
京成電鉄の新型有料特急「ちょっとだけ」外観デザイン発表 押上~成田空港(2026年2月13日)

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