姫新線の利用者5年連続で300万人超え 姫路エリアのローカル線、高速化や増発が奏功



JR西日本が運営する姫新線の輸送人員が、5年連続で300万人を超えた。線路の改良や新型車両の導入、列車の増発が功を奏したとみられる。

姫新線に導入されたキハ122系。【画像:KUZUHA/写真AC】

沿線の兵庫県たつの市によると、2009年度の輸送人員は238万人。その後は2014年度を除き増加し続けており、2015年度以降は300万人台で推移している。2019年度は322万人で、10年ほど前に比べ1.3倍ほどになった。

姫新線は、姫路(兵庫県姫路市)~新見(岡山県新見市)間158.1kmを結ぶ非電化単線の鉄道路線。このうち、たつの市の本竜野駅などを含む姫路~播磨新宮間22.1kmは姫路エリアの通勤通学路線となっている。2009年に新型車両のキハ122・127系気動車が導入され、翌2010年からは高速化工事の完了により姫路~上月間の最高速度が従来の85km/hから100km/hに向上。列車の増発も行わた。

JR西日本の公表資料によると、姫新線全体の1日1kmの平均通過人員(旅客輸送密度)は、JR西日本発足時の1987年度で2211人だったのに対し、2014年度は1500人に落ち込んだが、2018年度は1600人まで回復した。区間別では、姫路~播磨新宮間が2014年度で6778人だったのに対し、2018年度は7377人に増加している。

一方、播磨新宮以遠は旅客輸送密度が非常に小さく、2018年度は播磨新宮~上月間が910人、上月~津山間が391人、津山~中国勝山間が813人、中国勝山~新見間が310人だった。いずれの区間も1000人を割り込んでいる。

経営悪化に伴いローカル線の整理を進めているJR北海道の場合、旅客輸送密度が2000人未満の線区は「自社単独では維持が難しい」とし、200~2000人の線区は運賃値上げや上下分離方式を軸に維持する方針を打ち出している。