山口線SLやまぐち号の指定席券「通常の3倍」に値上げ SL牽引の再開は5月ごろに

JR西日本は2月19日、山口線のSL列車「SLやまぐち号」の料金を3月16日の運行分から見直すと発表した。JR旅客会社共通の料金から「SLやまぐち号」独自の料金に変更し、大幅に値上げする。

現在の料金額は指定席料金（指定席券）が通常530円で一部の日は330円。グリーン料金（グリーン券）は50kmまでが780円、100kmまでが1000円だ。見直し後は指定席券を1680円とし、通常の3倍以上に値上げ。グリーン券は距離に関係なく2500円に統一し、現在の2.5～3.2倍程度になる。

見直し後の料金は「SLやまぐち号」のほか、「DLやまぐち号」など「SLやまぐち号」用の客車を使用する列車にも適用される。運賃（乗車券）の変更はない。見直し後の所定運賃・料金の合計額（新山口～津和野）は、普通車指定席の利用で1150円値上げの2850円、グリーン車指定席の利用で1500円値上げの3670円。

ディーゼル機関車が牽引する「DLやまぐち号」にも見直し後の指定席料金・グリーン料金が適用される。【画像：JR西日本】

「SLやまぐち号」は国鉄時代の1979年から山口線の新山口～津和野で運行されているSL列車。「SLやまぐち号」用に製造されたレトロ風の客車を蒸気機関車が牽引している。2022年5月以降は蒸気機関車の不具合のため運休しており、代わりにディーゼル機関車牽引の「DLやまぐち号」が運行されている。

蒸気機関車は現在、定期検査の実施中。JR西日本は蒸気機関車の牽引による「SLやまぐち号」について、5月ごろの運行再開を目指すとしている。

JRの観光列車では独自の指定席料金やグリーン料金を設定して値上げするケースが増えている。JR東日本の場合は昨年2023年10月、「SLばんえつ物語」「越乃 Shu＊Kura」などのSL列車・観光列車で指定席料金・グリーン料金を値上げ。同社は値上げの理由として「当社を取り巻く経営環境の変化」を挙げていた。