オリエンタルランドは6月9日、同社が経営するテーマパーク「東京ディズニーリゾート」(TDR、千葉県浦安市)の遊具鉄道「ウエスタンリバー鉄道」で運用している蒸気機関車が、ボイラー性能検査の有効期限が切れた状態で運行していたと発表した。
オリエンタルランドによると、有効期限切れだったのは4両ある蒸気機関車のうち「ミシシッピ号」。本来の有効期間は昨年2022年5月18日から今年2023年5月17日までだったが、5月18日以降もそのまま運用され、6月5日まで19日間走った。6月9日の9時頃、計画していた整備の準備のためミシシッピ号の性能検査表を確認したところ、ボイラー性能検査の有効期限切れが発覚。車庫で運行準備中だった同機の運行を見合わせ、それ以降の運行を中止した。
ウエスタンリバー鉄道では、ほかにコロラド号とミズーリ号、リオ・グランデ号の蒸気機関車3両が運用されている。ミシシッピ号の有効期限切れが判明したあと、この3両の蒸気機関車も確認したが、性能検査の有効期限内だった。
ボイラー性能検査の有効期限を誤って認識し、ボイラー整備の計画を立てていたことが直接の原因。また、誤った計画をチェックする管理体制になっていなかったという。オリエンタルランドは「今回の事態を厳粛に受け止め、今後、管理体制を強化して再発防止に努めてまいります」としている。
ウエスタンリバー鉄道は1983年、現在のTDRのうち東京ディズニーランド(TDL)のオープンと同時に開業。TDL内の敷地を周回する遊具鉄道で、灯油を燃料とする蒸気機関車が客車を牽引して走る。TDRを周回するモノレール(ディズニーリゾートライン)と異なり鉄道事業法に基づく鉄道ではないが、蒸気機関車のボイラーは労働安全衛生法に基づく性能検査を定期的に受ける必要がある。
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