JR東日本は4月8日、上越新幹線で「顔認証改札機」の実証実験を行うと発表した。同社が導入を検討している「ウォークスルー改札」の一種。改札機を「顔パス」で通過できるようにする。

顔認証改札機は、新潟駅の新幹線東改札と長岡駅の新幹線改札で各1通路、設置する。新潟駅の顔認証改札機は日本電気製で、既存の改札機に顔認証改札機をかぶせる形で設置。長岡駅ではパナソニックコネクト製の顔認証改札機を新設する。燕三条駅には設置しない。


実証実験の期間は秋ごろから来年2026年春ごろまでの予定。長岡~新潟の新幹線定期券(「Suica FREX」か「Suica FREX パル」)を持っている人を対象にモニター参加者を募集する。モニターの受付登録は今年2025年夏ごろからの予定だ。

この実証実験では、JR東日本のほかJR東日本メカトロニクスと日本電気、パナソニックコネクトが共同開発者として参加。顔認証技術の精度に加え、照度やカメラ角度など機器の設置環境、改札機を通過するときの歩行者の速度、改札機と顔認証センサーの連動状況などを確認する。
JR東日本は実証実験の結果を見ながら、「大人の休日倶楽部」といった特定会員や「新幹線eチケット」利用者など対象を拡大していく考え。それにあわせてエリアの拡大も検討する方針だ。
JR東日本2024年12月、同社の全国交通系ICカード「Suica」の今後の開発・サービス戦略として「Suica Renaissance」を発表。改札機で切符の投入やICカードのタッチをすることなく通過できるウォークスルー改札を実現するとしていた。同社によると、ウォークスルー改札は顔認証以外の方式も検討中。2027年春ごろには顔認証以外の技術を活用して在来線で実証実験を行い、今後10年以内のウォークスルー改札の実現を目指すという。

JR東日本はウォークスルー改札により、両手に大きな荷物を持っている客やベビーカー利用客の通過の利便性を向上させることを目指す。また、国内だけでなく海外からの客もウォークスルー改札を利用できるよう開発を進める考えだ。
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