南阿蘇鉄道に「新型車両」MT-4000形、JR線乗り入れと老朽車の更新図る



南阿蘇鉄道(熊本県)が新型車両「MT-4000形」を導入することが12月8日、分かった。老朽化した車両の更新やJR線への乗り入れに対応する。

MT-4000形のイメージ。【作成:鉄道プレスネット】

新型車両の導入は熊本県・高森町・南阿蘇村が3月に策定した地域公共交通計画に基づくもの。同計画では外国人観光客の受入環境整備として「多言語化に対応した新車両の導入」を挙げていた。

MT-4000形は新潟トランシスの軽量気動車「NDC」シリーズを採用。MT-4001・MT-4002の2両が現地に搬入されている。新潟港から船で熊本港まで運び、その後はトレーラーで現地に搬入した。営業運転の開始時期はまだ決まっていない。

南阿蘇鉄道は1986年、国鉄から高森線の運営を引き継いだ第三セクター。同線は豊肥本線の立野駅で分岐し、阿蘇山の阿蘇五岳と外輪山に挟まれた地域を通って高森駅に至る17.7kmの路線だ。2016年に発生した熊本地震で橋梁が損傷するなど甚大な被害が発生し、現在も立野~中松の10.5kmで運休している。

全線再開は来年2023年夏頃の予定。これに伴いJR豊肥本線の肥後大津駅まで乗り入れることも計画されており、MT-4000形は豊肥本線への乗り入れに対応している。

南阿蘇鉄道のMT-2000A形。【撮影:草町義和】

南阿蘇鉄道は現在、1986年の経営移管時に導入したMT-2000形気動車(のちの改造を伴う形式変更で現在はMT-2000A形)3両と、1993~1998年に合計2両が製造されたMT-3000形気動車などを運用している。同社は老朽化が著しいMT-2000A形3両のうち2両をMT-4000形で置き換える。

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