つり革の上から「プラズマクラスター」シャープ・川重が「簡単設置」発生機を開発



鉄道車両向けの新しいプラズマクラスターイオン発生機。【画像:シャープ】

シャープ・川崎重工業・川重車両テクノの3社は9月16日、既存の鉄道車両に簡単に設置できるタイプの空気浄化システム(プラズマクラスターイオン発生機)を共同で開発したと発表した。従来の鉄道車両向けプラズマクラスターイオン発生機と異なり、つり革の上部に小型の発生機を追加で設置するもの。

3社によると、大掛かりな設置工事が不要で、既存の車両にも簡単に設置できる。長さ20mの車両の場合、6台以上搭載することで、空気浄化に有効な「プラズマクラスター7000」のイオン空間を実現。12台搭載すれば、より高濃度のイオン空間「プラズマクラスター25000」を創出できる。

新タイプのプラズマクラスターイオン発生機の設置例。つり革の上部に追加で設置する形になる。【画像:シャープ】

すでにこのタイプの発生機を鉄道事業者から受注しており、現在は実車両への搭載に向け最終調整を行っているところという。

3社は「昨今の衛生意識の高まりから、清潔な移動空間が一層強く求められるようになり、公共交通機関事業者からも簡単な設置工事で空気浄化が可能となる機器の需要が高まっています」としている。

プラズマクラスターはプラズマ放電により活性酸素を発生させてプラズマクラスターイオンを作り、空気中に放出する技術。シャープが開発したもので、同社は除菌などの効果があるとしている。鉄道車両では、2011年にデビューした南海電鉄12000系電車にプラズマクラスター イオン発生機が初めて搭載されている。

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