JR東日本の盛岡支社は12月13日、来年2025年3月15日のダイヤ改正で山田線の輸送体系を見直すと発表した。中間の山間部で上下各1本減便する。盛岡~宮古の全区間を走る列車の最終列車は下りで4時間半繰り上がって昼間の運行になる。

下り(宮古方面)は盛岡17時46分発の宮古行き普通列車を上米内行きに短縮し、上米内→宮古を廃止。茂市18時37分発の宮古行きを新設する。上り(盛岡方面)は宮古6時45分発の盛岡行き普通列車を上米内9時22分発に変更して宮古→上米内を廃止。宮古18時08分発の盛岡行き普通列車は宮古17時14分発に変更し、宮古18時08分発の茂市行きを新設する。
ダイヤ改正後の区間別運行本数は平日の場合、下りが盛岡→上米内7本、上米内→川内3本、川内→茂市4本、茂市→宮古5本。中間の山間部の上米内→川内→茂市で1本の減便になる。上りは宮古→茂市6本、茂市→川内5本、川内→上米内3本、上米内→盛岡7本で、こちらも茂市→川内→上米内で1本の減便だ。
盛岡~宮古の全線を移動する場合の最終列車は、下り盛岡発がいまより4時間半繰り上がって13時12分に。上り宮古発も1時間近く繰り上がって17時14分になる。また、宮古発の上り盛岡行き始発列車は2時間半ほど繰り下がる。

山田線の現在の区間はJR東日本が発足した1987年度で輸送密度が1119人だったが、昨年度2023年度の輸送密度は87人で100人を割り込んでいる。国鉄時代から山田線に並行する岩手県北バスの都市間バス「106バス」に客が流れ、利用者が少なかった。盛岡支社は今回の輸送体系の見直しについて、利用状況に合わせたものとしている。
山田線は今年2024年8月の水害で上米内~宮古が運休中。「106バス」への振替輸送が行われているが、12月20日に全線再開の予定だ。また、山田線の切符で「106バス」を利用できるようにした実証実験を運休前から実施しており、今後は独占禁止法特例法に基づく山田線と「106バス」の共同経営を行うことも検討されている。
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