JR東日本の盛岡支社は11月19日、大雨被害で一部区間の運転を見合わせている山田線について、12月20日前後に全線の運転を再開すると発表した。全線の運転は4カ月ぶり。

山田線は8月の大雨で土砂流入など大きな被害が発生。現在も上米内~宮古の92.2kmで運転を見合わせている。盛岡支社は9月上旬の時点では2カ月後(11月ごろ)の全線再開を見込んでいたが、のちに敷地外からの土砂流入のおそれが判明したことから全線再開時期を「未定」に変更。再開のめどがたたない状態になっていた。
盛岡支社によると、岩手県など関係者と検討を行い、線路内に流入した土砂などの撤去や流入防止設備の設置工事を進めている。これにより12月20日前後の再開を見込んでいるという。再開までは路線バス「106バス」による振替輸送を引き続き実施する。

山田線は例年、秋季の落葉による車輪の空転で列車が大幅に遅れるという課題を抱えており、今年2024年は10月15日~11月15日の1カ月間、遅延の防止を図るため上米内~川内で終日運転を見合わせる長期運休が計画されていた。今回の災害による運休は結果的に秋季の長期運休を拡大して実施する形になったといえる。
※追記(2024年12月4日17時55分)
11月19日の発表では「12月20日前後の見込み」としていたが、12月4日の発表で正式に12月20日の始発から運転を再開するとした。
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