豊肥本線・三里木~原水「新駅」開業目標時期が決定 JR九州と地元自治体が覚書締結



JR九州と熊本県菊陽町は12月18日、豊肥本線・三里木~原水の新駅設置に向けて覚書を締結し、開業目標時期などを決めた。20年以上前から菊陽町が構想していたプロジェクトが具体化に向け動き出す。

豊肥本線の三里木駅。【撮影:鉄道プレスネット】

新駅の設置位置は三里木駅から1.3kmで、原水駅からは1.9km。覚書の概要によると、鉄道施設としてホームなどを整備するほか、駅の周辺には交通広場や交流施設などを整備する。開業目標時期は2027年春。JR九州は「今後、新駅設置に向けて準備を進めてまいります」としている。

菊陽町内に設けられる新駅の位置。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】

駅予定地の周辺は南側が商業地として発展しており、北側には菊陽町図書館や菊陽杉並木公園がある。今年2023年10月には駅の北側に総合体育館がオープンした。菊陽町は1999年からJR九州に新駅の設置を要望しているが、これまでは利用者数が見込めないことから構想段階にとどまっていた。

しかし菊陽町は熊本都市圏の郊外住宅地として発展し、人口はここ20年ほどで1.5倍に。また、半導体メーカー世界大手・台湾積体電路製造(TSMC)の新工場が菊陽町内に建設されることが決定し、熊本空港アクセス鉄道も実現に向け動き出しており、人口のさらなる増加が見込まれている。このため近年はJR九州も新駅の設置について前向きな考えを示していた。

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