仙台~福島など「Wきっぷ」発売終了 普通列車の往復なら実質1.7倍の値上げ



JR東日本の東北本部は7月16日、2枚つづりの割引切符「W(ダブル)きっぷ」について、一部の区間で発売を終了すると発表した。

東北本線の普通列車。【撮影:草町義和】

「Wきっぷ」は往復利用や片道二人利用が可能な2枚つづりの割引切符。福島・宮城・山形・岩手のエリアを中心とした特定の区間に設定されている。利用できるのは快速・普通列車の普通車自由席やバス高速輸送システム(BRT)だが、特急券などを追加購入すれば新幹線なども利用できる。

発売を終了する区間は、仙台~福島(1560円)と福島~郡山(1460円)の2区間。9月30日で発売を終了する。この切符の有効期間は購入日から1カ月間のため、最終利用日は10月29日になる。

「Wきっぷ」発売終了後の10月1日からは、ネット予約サービス「えきねっと」限定の割引切符「新幹線eチケット(トクだ値1)」が仙台~福島に新規設定される。乗車日1カ月前の10時から乗車日前日の23時50分まで購入でき、東北新幹線「やまびこ」の普通車指定席を利用できる。発売額は11月30日まで30%割引で2470円。12月1日から来年2025年9月30日までは20%割引で2830円になる。

このほか、東北新幹線の仙台~福島か福島~郡山を交通系ICカード「Suica」のチャージ残額で「やまびこ」自由席を月2回以上利用した場合は抽選でポイント還元するキャンペーン(今年2024年10月1日~12月31日)や、「やまびこ」の仙台~福島か福島~郡山をポイント特典で利用する場合の交換レートを引き下げるキャンペーン(12月1日~2025年2月28日)を実施する。

東北新幹線の列車。【画像:時の記録者 Photo/写真AC】

普通列車で東北本線の仙台~福島を往復移動する場合、所定の往復運賃は2680円。「Wきっぷ」を使えば1560円で約42%引きになり、高速バスの往復(2200円)と比べても安い。逆に「Wきっぷ」の発売が終了した場合、所定運賃との比較で約1.7倍の値上げになり、高速バスよりも高くなる。

一方、東北新幹線「やまびこ」の普通車を利用して仙台~福島を往復移動するケースでは、「新幹線eチケット(トクだ値1)」(2024年12月1日~2025年9月30日)を使うと往復で合計5660円。「Wきっぷ」(特急券の追加購入)の自由席利用(5300円)に比べ360円高くなり、指定席利用(通常期、6360円)との比較では700円安くなる。

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