武蔵小杉駅(川崎市)でJR横須賀線ホームが増設され、12月18日の始発から新ホームの使用が始まった。JR東日本はホームの増設で混雑の緩和を目指す。
新しいホーム(新3番線)は下り列車のみ停車。単式ホームで下り線(横浜方面)の外側に設けられ、上下線のあいだにある従来のホーム(旧3・4番線→新4番線)より横浜寄りに少しずれて設置された。長さ311m、幅約5mで15両編成に対応し、階段(3カ所)とエレベーター(1基)、エスカレーター(1基)を設置。駅名標はホームの側壁に設置され、天井からぶら下げるタイプのものはない。飲料水の自動販売機なども設置されておらず、比較的見通しがよくなっている。
上下線のあいだにある従来の島式ホームは上り列車(東京・新宿方面)の専用ホームに。下り線側には柵が整備される計画だが未完成で、現在は暫定的にロープが張られている。下り列車用の発車案内表示装置などは使用を中止した。
列車は上下線とも従来通り、横須賀線や湘南新宿ライン、埼京線~相鉄線直通、特急「成田エクスプレス」などが停車する。下り列車の乗り場が変わったことから、現在は下り列車の乗り場が変わったことを構内放送や看板、係員による呼びかけなどで繰り返し案内している。
武蔵小杉駅はJR南武線と東急東横線にホームを設けていたが、横須賀線にも島式1面2線のホームが整備されて2010年に使用開始。南武線・横須賀線・東横線の結節点になったことに加え周辺でタワーマンションの開発も進んだことも相まって利用者が増加した。
JR線の利用者数(1日平均の乗車人員)は2009年度で7万6831人だったのに対し、コロナ禍前の2019年度は1.7倍近い12万9194人に。コロナ禍の2021年度でも9万1146人で2009年度を上回っており、ホームの混雑緩和が課題になっていた。2019年11月からは埼京線~相鉄線の直通列車も乗り入れるようになったこともあり、2020年からホームの増設工事に着手。JR東日本はホームの増設により朝の通勤時間帯で約3割ほどの混雑緩和が見込まれるとしている。
今後は島式ホーム下り線側の柵の整備に加え、ホーム北側に新しい改札口を整備する計画。新改札口は来年度2023年度内に完成の予定だ。
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