西武鉄道は5月16日、ラッピング列車「スタジオツアー東京エクスプレス」の出発式を豊島線の豊島園駅(東京都練馬区)で開催した。同駅に隣接するテーマパーク「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 -メイキング・オブ・ハリー・ポッター」(スタジオツアー東京)のオープンに先立つ記念列車。

「スタジオツアー東京エクスプレス」は20000系電車の3編成を使用。この日の出発式では3編成のうち第20152編成(8両)が姿を現した。車体はスタジオツアー東京のセットの一つ「禁じられた森」のイメージで装飾され、英国映画『ハリー・ポッター(ハリポタ)』シリーズの主要キャラクター「ハリー」「ハーマイオニー」「ロン」の3人が大きく描かれた。


出発式の列車は豊島園11時52分発の池袋行き5460列車。『ハリポタ』の衣装をまとった東京都の小池百合子知事や練馬区の前川燿男区長、ワーナー・ブラザース・スタジオジャパンのトーベン・イェンセン ゼネラルマネージャー、西武ホールディングスの後藤高志会長らが「出発の魔法」をかけると、5460列車はドアを閉めて動き出した。

「スタジオツアー東京エクスプレス」は池袋線・豊島線の池袋~豊島園を中心に運行される。西武鉄道は走行位置の情報を公式アプリの列車走行位置サービスで提供。『ハリポタ』のスポーツ「クィディッチ」で使用される「羽で飛ぶボール」を「スタジオツアー東京エクスプレス」の列車アイコンとして走行位置をリアルタイムで表示する。
池袋駅には「反時計回りの時計」
豊島園駅は西武系列の遊園地「としまえん」の最寄駅として設置されたが、2020年8月にとしまえんが閉園。跡地に『ハリポタ』シリーズのテーマパークとしてスタジオツアー東京が整備された。
西武鉄道はこれにあわせて池袋駅と豊島園駅のリニューアル工事を実施し、4月下旬にほぼ完成。5月16日は「スタジオツアー東京エクスプレス」の出発式に先立ち、両駅のリニューアル記念式典も豊島園駅の駅前で開催された。
池袋駅は豊島園行き列車が発着する1・2番線ホームをリニューアルし、英国ロンドンのキングスクロス駅を参考に壁面をレンガ調にするなどの装飾を施した。


また、5月16日からキングスクロス駅と同じ時計を公開。ワーナー・ブラザース社から寄贈されたもので、スタジオツアー東京に設置されているものと同じデザインだ。池袋駅に設置された時計は反時計回りに回転し、魔法の世界観を演出したという。

豊島園駅には新しい駅舎が整備された。駅舎正面の上部には大型ビジョンを設置し、魔法の世界をイメージした映像を流す。ホームは『ハリポタ』シリーズに登場する架空の駅「ホグズミード駅」をイメージした赤ベースのデザインでリニューアルした。



このほか、としまえんで走っていた模型列車を再活用した「魔法列車」や電話ボックスのオブジェをホーム内に設置。駅前もイングリッシュガーデンをイメージしたデザインで再整備し、『ハリポタ』に登場する「守護霊 パトローナス」の牡鹿と雌鹿を設置した。



スタジオツアー東京は1カ月後の6月16日にオープンする予定。西武ホールディングスの後藤会長は出発式後の記者会見で「『ハリポタ』は世界共通のアイテム。年齢を問わずお年寄りから小さい子供まで世界各国にファンがいる」と話し、西武沿線の活性化に期待を寄せた。
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