「玉電」の生き残りといえる東急世田谷線が、今年2025年で開業100周年を迎えた。東急電鉄は4月29日から記念ヘッドマークの掲出など100周年記念企画を実施する。

記念ヘッドマークは4月29日から300系電車の8編成で掲出。100周年記念ロゴマークをデザインしたステッカータイプのヘッドマークを来年2026年1月ごろまで掲出する予定だ。「幸福の招き猫電車」「SDGsトレイン」には掲出せず、掲出対象の電車でも車体ラッピングによっては掲出しない場合がある。
300系の第301編成では、開通当時から現在までの写真を中づりポスターで紹介する「なつかしのギャラリートレイン」として今年2025年4月29日から5月31まで運行する予定。このほか、キックオフイベントとして有識者によるトークイベントを企画。4月29日の13~16時、世田谷線の三軒茶屋駅に隣接するビル「キャロットタワー」で開催する。

世田谷線は、東急田園都市線の三軒茶屋駅と京王線の下高井戸駅を結ぶ5.0kmの路線。軌道法に基づく軌道で路面電車タイプの電車が運行されているが、道路の路面に軌道を敷設した併用軌道は踏切を除いて存在しない。
1907年、現在の東急田園都市線とほぼ同じルートで渋谷~玉川(現在の二子玉川)を結ぶ路面電車として玉川線が開業。当初は玉川電気鉄道が運営しており、「玉電」と呼ばれ親しまれた。100年前の1925年1月18日には、玉川線の支線として三軒茶屋~世田谷を結ぶ下高井戸線(現在の世田谷線)が開業。同年5月1日に三軒茶屋~下高井戸が全通した。

その後、玉川電気鉄道は東京横浜電鉄(のちの東京急行電鉄)に合併。戦後は新玉川線(現在の田園都市線)の建設に伴い1969年に玉川線が廃止されたが、下高井戸線は現在の世田谷線に改称して存続した。2001年にはホームのかさ上げやスロープの設置によりノンステップ化を図り、バリアフリー対策を強化している。
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