南海電鉄は11月13日、ダイヤ改正を12月21日に実施すると発表した。空港線の速達性向上と混雑緩和に加え、大阪・関西万博の開催に向け輸送力の強化を図る。一方で一部の線区は利用状況にあわせてダイヤの見直しを行う。
関西空港アクセス特急「ラピート」の運行本数は現在66本。堺駅や岸和田駅など途中6駅に停車する「ラピートβ」(55本)が中心で、堺駅と岸和田駅を通過する速達タイプの「ラピートα」(11本)は朝と夜にしか運行されていない。
ダイヤ改正では全体の運行本数は改正前と同じ66本だが、速達タイプの「α」を増やして「β」を減らし、速達性の向上を図る。改正後の運行本数は「α」が31本で「β」が35本。「α」が全体の半分近くまで増強され、日中も運行されるようになる。
空港急行は平日ダイヤで3本増発し、土曜・休日でも1本増発。同時に8両編成の空港急行を増やして混雑緩和を図る。
このほか、利用状況をあわせて列車種別や行き先の変更、運行区間の短縮、減便などを南海線と加太線で実施する。高野線・汐見橋~岸里玉出(汐見橋線)では最終列車の繰り上げを実施。汐見橋発は22時45分から35分繰り上げて22時10分に、岸里玉出発は22時25分から40分繰り上げて21時45分になる。
南海空港線はコロナ禍が収束に向かうなか、訪日外国人観光客を中心に利用者が急速に回復している。南海電鉄によると、本年度2024年度上期(4~9月)の「ラピート」の輸送人員は過去最高の197万1903人。乗車率は65.3%だった。
《関連記事》
・南海電鉄の鉄道事業「分社化」決議 関西大手私鉄はすべて持株・分社に
・南海難波駅の2階中央改札口「初リニューアル」工事開始 「緩やかな曲線」「白で統一」