JR東日本の高崎支社は2月26日、自動改札機の運搬台車を独自に開発したと発表した。自動改札機の取替工事で使用し、作業の効率化や作業員の負担軽減を図る。

高崎支社が導入する運搬台車の名称は「自動改札機用直立式運搬台車『Kai-Un(カイウン)』」。自動改札機を立てた状態で運ぶことができる。愛称のKai-Unは「改札機(K)を安全に(a)移動させる(i)運搬台車(Un)」から名付けた。


高崎支社によると、自動改札機は横向きのままではエレベーターに搭載することができない。このため、とくに橋上駅で自動改札機の取替工事を行う場合、重い自動改札機を階段で運ぶ必要があり、作業者の身体的負担が課題になっていた。こうしたなかで高崎支社の社員が、自動改札機を立てた状態にすることでエレベーターに搭載できることに着目。直立式の運搬台車を開発した。
試作品の開発後、高崎駅でエレベーターを使った運搬試験を実施。横浜線の相模原駅(神奈川県相模原市)での取替工事で実際に使用するなど検証を行った。その結果、これまで1台あたり約20分かかっていた運搬作業時間を約10分に短縮することができたという。

JR東日本は現在、センターサーバー方式を採用した新しい改札システムの導入を進めている。高崎支社も新システムに対応した自動改札機を8月から導入する計画。神保原駅(埼玉県上里町)を皮切りに来年度2025年度は20駅84通路に導入し、2026年度には残る14駅52通路への導入も完了させる予定だ。

高崎支社は自動改札機の取替工事でKai-Unを使用し、作業の効率化や働き方改革を推進するとしている。また、今年2025年7月にはKai-Unの商品化を行う予定だ。
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