新潟駅の高架化でCO2削減量「東京~新潟の乗用車224往復分」便益が総費用上回る



新潟市はJR新潟駅の高架化や同駅の周辺整備事業による整備効果と便益額などの分析結果を2月19日までに明らかにした。社会的・経済的に得られた便益額が整備にかかった費用を上回り、投資に見合う効果があったとしている。

高架化された新潟駅の在来線ホーム。【画像:ciupen/写真AC】

分析の対象となったのは、新潟駅とその前後の線路を高架化する連続立体交差事業と同駅で新幹線と在来線の列車を同じホームで乗り換えできるようにする事業。このほか、新潟駅高架下のバスターミナルや駅前広場の整備、周辺の道路の整備なども対象とし、これらの整備にかかった総費用を1801億円とした。

便益は「移動時間の短縮効果」「走行経費の削減効果」「交通事故の減少効果」の交通3便益に加え、「駅機能の向上」「列車運行の円滑化」「環境負荷の低減」なども分析の対象に。その結果、総便益額は総費用を40億円上回る1841億円になったとしている。

新潟駅の高架化や同駅周辺整備の整備効果と便益額(2023年度の再評価)。【画像:新潟市】

新潟駅に乗り入れる在来線(信越本線・越後線)は2022年6月までに高架化が完了し、同駅の西側にある米山踏切と天神尾踏切が解消された。上越新幹線は1982年の開業当初から高架橋で、在来線の高架化にあわせ新幹線の列車と羽越方面の在来線特急「いなほ」を同一ホームで乗り換えできる構造にした。

新潟市によると、踏切の遮断時間は米山踏切で約2.9時間、天神尾踏切で約1.9時間だったが高架化でゼロに。高架化前に約3~5時間あった一時停止の損失時間も解消された。二酸化炭素(CO2)の排出量は年間で約26.3tの削減。これは東京~新潟の乗用車224往復分に相当するという。

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