JR東日本「2024年3月16日ダイヤ改正」特急「しおさい」にNEXの車両



JR東日本は12月15日、来年2024年3月16日に実施するダイヤ改正の概要を発表した。コロナ禍の収束に伴う利用者の回復傾向にあわせて新幹線の列車を増発するほか、房総方面の特急「しおさい」に特急「成田エクスプレス」の車両を導入する。

おもなダイヤ改正の概要は次の通り。

山形新幹線

新型車両のE8系電車を「つばさ」に順次投入。ダイヤ改正時点では下り「つばさ131号」1本と上り「つばさ122・124号」2本をE8系で運行し、下り「つばさ149・157号」2本と上り「つばさ144号」1本はE8系かE3系で運行する。

山形新幹線「つばさ」に導入される新型車両のE8系。【画像:JR東日本】

E8系で運行する列車の一部は、東北新幹線内の宇都宮~福島で最高速度を現在の275km/hから300km/に引き上げる。これにより所要時間は改正前に比べ最大4分の短縮になる。

下り最速達列車「つばさ131号」は東京9時24分→山形11時46分→新庄12時31分で、所要時間は東京→山形が2時間22分、東京→新庄が3時間7分。上り最速達列車の「つばさ124号」は山形7時12分→東京9時35分で所要時間は2時間23分だ。

このほか、東京~福島で「つばさ」と併結する東北新幹線「やまびこ」は車両をE2系電車からE5系電車に変更する。

東北・秋田・上越・北陸新幹線

新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う利用状況の回復傾向にあわせ、定期列車を増やす。

東北・秋田新幹線「はやぶさ・こまち」は東京~新青森・盛岡・秋田で下り4本・上り5本の増発。東北新幹線「やまびこ」は東京~仙台で上下各5本を増発する。上越新幹線は平日のみ下り「たにがわ」1本を東京→越後湯沢で増発。北陸新幹線「かがやき」は東京~敦賀で上下各2本の増発になる。一方、東京~盛岡で運行されている「やまびこ」の上下各2本は運行区間を東京~仙台に短縮する。

利用者が多い時間帯に上野始発で運行している臨時「はやぶさ」の下り2本は、折り返し時間の短縮によりを東京駅始発に変更する。運行時刻は「はやぶさ301号」が東京8時48分→新青森12時00分、「はやぶさ303号」が東京10時26分→新青森13時42分。東京駅を同時刻で発車する上越・北陸新幹線の臨時列車を運行する場合もある。

このほか、上越新幹線の下りは新潟行き最終列車と高崎行き最終列車の時刻を繰り上げる。設備のリニューアル工事や地震対策工事の作業時間を確保するため。高崎行き最終列車は東京22時40分→高崎23時56分の「たにがわ477号」で、いまより20分の繰り上げ。新潟行き最終列車も20分繰り上げられ、東京21時20分→新潟23時25分の「とき347号」になる。

写真の東北新幹線などで増発される。【画像:こうたろう0125/写真AC】

北陸新幹線

JR西日本区間の金沢~敦賀がダイヤ改正にあわせて延伸開業。東京~敦賀を直通する列車は速達タイプの「かがやき」9往復と停車タイプの「はくたか」5往復が設定される。

最速達列車は下りが「かがやき503号」(東京7時20分→福井10時11分→敦賀10時28分)。所要時間は東京→福井が36分短縮の2時間51分で3時間を切る。東京→敦賀は50分短縮の3時間8分。

上り最速達列車「かがやき514号」は敦賀17時13分→福井17時31分→東京20時23分。敦賀→東京は55分短縮の3時間10分、福井→東京は38分短縮の2時間52分になる。

敦賀まで延伸開業する北陸新幹線。【画像:JR東日本】

在来線特急(房総・成田空港)

東京~銚子方面の特急「しおさい」は、成田空港アクセス特急「成田エクスプレス(NEX)」で運用しているE259系電車を導入。これにより「しおさい」はE259系とE257系電車で運行されるようになる。

「しおさい」に導入される「成田エクスプレス」のE259系。【画像:JR東日本】

平日朝夕の通勤時間帯には「しおさい」と東京~外房方面の特急「わかしお」を合計3本設定する。運行区間と時刻は「しおさい4号」が佐倉6時52分→東京7時43分、「わかしお4号」が勝浦6時44分→東京8時25分)、「しおさい11号」が東京20時45分→佐倉21時33分。

「NEX」は一部の列車の運行時刻を変更。これにより7~19時台は東京~成田空港をおおむね30分間隔の運行にする。

また、各特急の停車駅の拡大も実施。「しおさい」は全列車が船橋駅に停車し、「しおさい」の四街道停車と「わかしお」の土気停車、「NEX」の千葉・佐倉停車を拡大する。ほかにも「NEX」「しおさい」「わかしお」と東京~内房方面の特急「さざなみ」で輸送体系の見直しが行われる。

在来線特急(中央線)

中央本線~富士急行線を直通する特急「富士回遊」はインバウンドを中心に利用者が多いとして、新宿~河口湖で上下各1本を増発。新宿~大月は特急「かいじ」と併結して運行する。増発列車の時刻は「富士回遊15号」が新宿10時30分→河口湖12時22分、「富士回遊32号」が河口湖14時10分→新宿16時07分(土曜・休日は16時05分)。

特急「富士回遊」などで運用されているE353系。【画像:JR東日本】

在来線特急(常磐線)

品川~仙台の特急「ひたち」の運行時刻を見直す。品川15時45分発の仙台行き「ひたち19号」は16時45分発の仙台行き「ひたち21号」に変更。仙台10時14分・16時06分発の品川行き「ひたち14・26号」は8時48分・14時16分発の「ひたち12・22号」に変更する。これにより仙台エリアと首都圏エリアの各都市における滞在時間を拡大する。

常磐線の特急「ひたち」などで運用されているE657系。【撮影:草町義和】

在来線特急(奥羽線)

秋田~青森の特急「つがる」のうち「3・4号」の上下各1本で途中停車駅を東能代・鷹ノ巣・大館・大鰐温泉・弘前・新青森の各駅に絞り、列車名を「スーパーつがる1・2号」に変更する。これにより所要時間は秋田~弘前・青森で10~14分短縮される。運行時刻は「スーパーつがる3号」が秋田12時49分→青森15時20分、「スーパーつがる2号」は青森12時40分→秋田15時12分。

「つがる」の上下各1本は列車名を「スーパーつがる」に変えて速達化が図られる。【画像:JR東日本】

在来線特急(東海道線)

特急「湘南」の一部列車で運行区間を見直し、特急「踊り子」も停車駅を見直す。

普通列車(首都圏)

早朝に海老名~新宿を相鉄・JR直通線経由で結ぶ普通列車を設定する。JR線内の時刻は新宿方面が羽沢横浜国大5時47分→新宿6時24分。海老名方面は新宿6時31分→羽沢横浜国大7時08分。

相鉄線の海老名駅とJR線の新宿方面を直通する列車。【撮影:草町義和】

横浜線では朝夕の時間帯を中心に、東神奈川発着の列車を根岸線の桜木町駅まで延長する。これにより横浜線~根岸線の直通列車の本数(両方向の合計)は平日で10本増の135本。土曜・休日は14本増の132本になる。

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