京成電鉄「3400形」とことん楽しむツアー 初代AE形の上り自動放送を復元、初披露



京成電鉄の3400形。【撮影:草町義和】

京成トラベルサービスは10月9・17日の計2日、「まるごと3400形の旅」を実施する。京成電鉄の3400形電車に乗車するツアー。3400形にこだわった企画を多数盛り込む。

往路は京成上野駅から3400形に乗車して10時20分頃に出発。車内放送体験の権利が当たる抽選会や、方向幕の行先・種別表示の人気投票などのイベントを行いながら、通常は3400形が走行しない成田スカイアクセス線の印旛日本医大~成田空港間を通り、成田空港駅に向かう。到着後は成田空港内で自由に過ごしつつ、「初代・成田空港駅」の東成田駅へ各自移動して再集合する。

1991年まで成田空港駅だった東成田駅では、このツアー限定の特設ギャラリーを設置。1990年代の営業ポスターや、1993年まで成田空港アクセス特急「スカイライナー」で運用されていたAE形電車(初代)のヘッドマークなどを展示する。

このほか、京成グループ各社によるグッズ販売を実施。「初代・成田空港駅」時代に使われ、現在は通常閉鎖されているホームで3400形を使用し、往路の人気投票で上位にランクインした方向幕を披露する。

東成田駅の通常は閉鎖されたホーム。「初代・成田空港駅」時代の駅名標が残る。【撮影:草町義和】

復路は再び3400形に乗車。AE形(初代)で使用していた上り方面の自動放送音源を復元し、車内で初披露する。音源の復元に携わった京成電鉄社員によるトークなどを行いながら16時20分頃、京成上野駅に戻る。京成トラベルサービスと京成電鉄は「最初から最後まで3400形をとことんお楽しみいただけるツアー」としている。

旅行代金は大人3500円・子供2500円。成田空港第1ターミナル内のレストラン「京成友禅」で利用できる割引券や、3400形の特製ノベルティセット(コインケース・クリアファイル)が付く。申込みは9月27日12時まで京成トラベルのウェブサイトで受け付ける。募集人数は各日193人で応募者多数の場合は抽選。

3400形は1993年にデビューした京成電鉄の通勤車両。「スカイライナー」の初代車両として開発されたAE形(初代)のモーターや制御装置を流用し、通勤車両向けの車体を新造して組み合わせた。京成電鉄の現役の通勤車両としては唯一、車体のほぼ全面を塗装した普通鋼車体を採用している。40両(8両編成5本)が製造されたが、昨年2020年に8両編成1本(第3408編成)が廃車になった。

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