JRグループ7社は12月15日、来年2024年3月16日にダイヤ改正を実施すると発表した。北陸新幹線・金沢~敦賀が延伸開業するほか、東北・山形新幹線では新型車両の導入による所要時間の短縮が図られる。
全国のおもなダイヤ改正の概要は次の通り。
北陸新幹線
北陸新幹線はダイヤ改正にあわせて敦賀~金沢が延伸開業。東京~敦賀を直通する「かがやき」「はくたか」が合計14往復運行される。富山~金沢の「つるぎ」も運行区間を富山~敦賀に拡大して25往復運行。敦賀駅で在来線特急「サンダーバード」「しらさぎ」に連絡し、大阪方面と米原・名古屋方面への連絡を図る。
所要時間は東京~福井が最速2時間51分で現在より36分短縮。平均所要時間では41分短い3時間10分になる。東京~敦賀は最速で50分短縮の3時間8分。平均で59分短縮の3時間30分になる。
在来線特急と新幹線の乗り継ぎを含む区間の所要時間(最速)は、敦賀駅で1回乗り継ぐ区間が大阪~福井で1時間44分(3分短縮)、大阪~富山で2時間35分(29分短縮)。米原駅と敦賀駅で2回乗り継ぐ区間では名古屋~福井が1時間33分(3分短縮)、名古屋~富山が2時間35分(23分短縮)になる。
東北・山形新幹線
東北・山形新幹線には新型車両のE8系電車を順次投入。一部の列車で宇都宮~福島の最高速度を275km/hから300km/hに向上する。これにより所要時間が改正前に比べ最大4分の短縮になる。
最速列車は下りが「つばさ131号」(東京9時24分→新庄12時31分)、上りが「つばさ124号」(山形7時12分→東京9時35分)。東京~山形を2時間22分、東京~新庄を3時間7分で結ぶ。
上越新幹線
上越新幹線は増加する設備のリニューアル工事や地震対策工事を実施するため、下り新潟行きと高崎行きの最終列車の時刻を20分(新潟着基準は27分)繰り上げる。これにより工事の作業時間を確保する。
東海道・山陽新幹線
東海道・山陽新幹線の直通列車では、最終「のぞみ」の所要時間短縮と発車時刻の繰り下げを実施し、現地滞在時間を拡大する。
東京発→岡山行き最終列車「のぞみ93号」で全体の所要時間を7分短縮。東京駅の発車時刻を6分繰り下げて20時39分とする。博多発→東京行き最終列車「のぞみ64号」は、山陽新幹線の停車駅から東京駅までの所要時間を1分短縮。博多駅の発車時刻を1分繰り下げて19時00分発とする。
東海道新幹線「ひかり」「こだま」は、夜間時間帯下り「ひかり」の列車間隔改善と停車駅の増加、下り三島・静岡始発「こだま」の繰り上げ、朝時間帯上り「こだま」の浜松~静岡の増発を行う。
このほか、ビジネスブースを設置したN700Sを東海道・山陽新幹線を直通運転する「のぞみ」を中心に28本で運行する。
JR北海道
日中時間帯(9~16時)に札幌~新千歳空港を結ぶ快速「エアポート」を毎時5往復から6往復に増強。このうち毎時1往復は「特別快速」として停車を減らし、速達化を図る。一方で「区間快速」を新設し、これまで「エアポート」が通過していた駅と新千歳空港駅を乗り換えずに利用できるようにする。
JR東日本
中央本線・富士急行線の特急「富士回遊」はインバウンドを中心利用が堅調とし、新宿~河口湖で1往復増発する。
JR西日本
奈良~新大阪の平日通勤時間帯に特急「らくラクやまと」を新設。運行時刻は奈良7時16分→新大阪8時19分と新大阪19時43分→奈良20時46分になる。
大阪~鳥取・倉吉を智頭急行智頭線経由で結ぶ特急「スーパーはくと」は、大阪~鳥取で1往復増発して毎日8往復の運行に。一部の「スーパーはくと」は姫路駅での山陽新幹線との連絡を改善し、首都圏・中京圏と鳥取エリアの所要時間を短縮する。
伯備線の特急「やくも」も、一部の列車で岡山駅での山陽新幹線との連絡を改善。首都圏・関西圏と米子・出雲エリアの所要時間を短縮する。
JR貨物
東京貨物ターミナル~大阪貨物ターミナルを結ぶコンテナ列車の所要時間を短縮。東京貨物ターミナル22時59分発の大阪貨物ターミナル行きは59分短縮の8時間06分で、東京貨物ターミナル6時30分着の大阪貨物ターミナル発は3時間45分短縮の7時間59分になる。
また、関東地区から広島貨物ターミナルへのコンテナ列車も列車の新設や搭載できるコンテナの数を増やして輸送力を増強する。
輸送量が増えている関東~北海道では、東京臨海部・神奈川地区~北海道の利便性向上を図るため、隅田川~札幌貨物ターミナルを結ぶ貨物列車の運行区間を東京貨物ターミナル→札幌貨物ターミナルと札幌貨物ターミナル→相模貨物に変更する。
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