山形新幹線に新型「E8系」2024年春デビュー ノーズ9mで最高300km/h、全席コンセント



JR東日本は3月3日、山形新幹線用の新型車両「E8系電車」を新造すると発表した。最高速度を引き上げて所要時間を短縮。2024年春からの営業運転開始を目指す。

E8系のイメージ。【画像:JR東日本】

工業デザイナーの奥山清行氏が代表を務めるKEN OKUYAMA DESIGN(ケン・オクヤマ・デザイン)社が監修し、川崎重工業がデザインを担当。デザインコンセプトは「最上川の歴史に共通する新幹線がもたらす“豊かさ”、そこから生まれる“風土や人の交流”を促す車両として、『豊かな風土と心を編む列車』」(JR東日本)としている。

発表された概要によると、現在の山形新幹線「つばさ」で使われているE3系電車と、秋田新幹線「こまち」E6系電車の中間的な仕様といえる。

営業最高速度は在来線区間(山形新幹線内)がE3系やE6系と同じ130km/hだが、新幹線区間は300km/h。E3系(275km/h)より25km/h速く、E6系(320km/h)より20km/h遅い。

鼻のような形状の先頭部(ノーズ)の長さも9mで、E3系より3m長く、E6系より4m短くなる。定員は普通車329人、グリーン車26人の合計355人。全体ではE3系より約40人少ないが、グリーン車は3人増える。一方、E6系よりは全体で25人増える。

サービス面では、すべての車両にフルアクティブサスペンションを装備して乗り心地を向上。コンセントは普通車も含めて全席に設置する。また、スーツケースに対応した大型荷物置き場を全車両に設置。車椅子スペースは1編成につき1席増やして2席とし、防犯カメラは客室内とデッキのほか通路部にも設ける。

7両編成(モーター付き5両、モーターなし2両)17本の合計119両を新造する計画。2022年9月以降に最初の編成を完成させる予定で、2024年春から営業運転を順次開始。2026年春までに119両が完成する予定だ。JR東日本は最高速度の向上による所要時間の短縮効果やダイヤなどについて、「決まり次第お知らせします」としている。

E8系の側面のイメージ。【画像:JR東日本】
グリーン車のイメージ。【画像:JR東日本】
普通車のイメージ。【画像:JR東日本】
E8系とE3系、E6系の比較。【画像:JR東日本】