小田急1000形「最後のワイドドア車」貸切ツアー 撮影会や子供向け鉄道教室も



小田急電鉄と小田急トラベルは来年2022年1月、残り1編成だけになった「1000形ワイドドア車」の貸切列車に乗るツアーを実施する。

貸切列車で使われる1000形ワイドドア車。【画像:小田急電鉄】

ツアーは「小田急電車撮影会 1000形ワイドドア車(最後の1編成)」(1月8日)と「1000形ワイドドア車(最後の1編成)貸切車両で満喫しよう!」(1月9日)の2種類。いずれも1000形ワイドドア車の第1754編成を使用する貸切列車に乗る。

「撮影会」は新百合ヶ丘→藤沢→町田→海老名の経路で運行する貸切列車に乗車。一部の区間では走行中に録音専用車両を設ける。新百合ヶ丘駅の車庫線で廃車済みの1000形の部品などの販売会を実施。海老名到着後は隣接する車両基地(海老名電車基地)でワイドドア車の撮影会を行う。

「満喫」の貸切列車は新百合ヶ丘→小田原→海老名の経路で運行。車内では現役乗務員による1000形ワイドドア車の説明や、1000形特有のブレーキシステムの解説、サプライズイベントなどを用意するという。海老名到着後は海老名電車基地で1000形ワイドドア車の撮影会か、特急ロマンスカー60000形「MSE」車内での子供向け鉄道教室のどちらかを選んで参加できる。

参加費は「撮影会」が7800円、「満喫」が8300円。小学生は300円引き、「OPクレジットカード」会員は200円引きだ。申込みは今年2021年12月9日11時から小田急トラベルのウェブサイトで受け付ける。

小田急の1000形は1987年から1993年にかけ196両が製造された通勤電車。側面のドアは幅1300mmの標準的な両開き式だが、1990~1991年に製造された36両は一部を除き幅を2000mmに拡大したワイドドアを採用した。ワイドドア車が導入された頃の小田急小田原線の混雑率は200%超で、ドア幅を拡大することでラッシュ時の乗降時間を短縮し、混雑の緩和を狙った。

しかしドア幅の拡大で逆にドア付近に乗客がとどまるようになったことから、のちにドアの開口幅を1.6mに縮小する改造を受けた。1992年以降はワイドドア車が導入されず、一方で混雑率は複々線化事業などの効果で150%近くまで低下しており、ワイドドア車の必要性が薄れている。

1000形は2020年以降、標準ドア車・ワイドドア車ともに順次引退している。小田急電鉄によると、今回のツアーで使用する6両編成1本(第1754編成)が最後のワイドドア車という。

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