東海道新幹線N700S「追加投入」車体に再生アルミを初使用、車椅子スペースも改良



JR東海は5月27日、東海道新幹線の新型車両「N700S」を追加投入すると発表した。2023年度から2026年度にかけ19編成を投入。再生アルミの使用範囲を拡大するほか、車椅子スペースなどの改良を行う。

東海道・山陽新幹線のN700S。【画像:Today is sunny./写真AC】

N700Sでは新幹線の廃車車両のアルミ部材をリサイクルし、内装部品の一部に使用している。追加投入するN700Sでは車体の一部(屋根部)にも再生アルミ部材を使用。これによりアルミ製造時の二酸化炭素(CO2)排出量を約2%、1編成あたりでは50t減らす。

JR東海によると、アルミの選別工程を確立することでリサイクルしたアルミ部材を使うことが可能になった。新幹線車両の車体に再生アルミ部材を使うのは初めてという。

再生アルミの使用イメージ。【画像:JR東海】

車椅子スペースは窓側スペースのコンセントを使いやすくするため、設置場所を床付近から窓下に変更。多目的室は窓の位置をいまより高くし、車椅子のままでも景色を楽しめるようにする。障害者団体などとの意見交換を重ね、改良する部分を決めたという。

車椅子スペースのコンセント高さ変更イメージ。【画像:JR東海】
多目的室の窓位置の変更イメージ。【画像:JR東海】

追加投入のN700Sは2023年度に2編成を導入。2024年度2025年度はそれぞれ7編成を導入し、2026年度は3編成を導入する計画だ。車両製作費や補修部品の費用などの合計は約1140億円。

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