鉄道車両の保存展示施設「加悦SL広場」(京都府与謝野町)を運営している宮津海陸運輸が、2020年3月末にも同施設を閉園する方向で検討していることが分かった。
京都新聞が2019年12月23日、技術継承が困難で車両の腐食も進んでおり、閉園が検討されていると報道。これに対して施設の運営に協力しているNPO法人の加悦鐵道保存会は12月24日、「現状では決定事項ではありませんが、閉園の方向で調整に入っているのは事実」と発表した。
閉園した場合の車両の扱いなども決まっていない。加悦鐵道保存会は「1両でも多くの車両を残すことが出来るよう、最善の方策を模索中」としている。
加悦SL広場は、加悦鉄道(現在の宮津海陸運輸)が運営していた鉄道路線の車両を中心に保存・展示している施設。1977年に当時の加悦駅構内にオープンした。鉄道路線は1985年に廃止されたが、加悦SL広場は現在の宮津海陸運輸が引き続き運営している。1996年には大江山鉱山駅の跡地に移転した。
重要文化財に指定されている加悦鉄道の蒸気機関車2号機や、日本では唯一現存する片ボギー車両の気動車キハ101、国鉄の旧型客車を改造した気動車キハ08系(キハ08 3)など27両が保存、展示されており、一部の車両は実際に動かせる状態で保存されている。