大井川鐵道の井川線アプト式機関車の車庫やダムの内部を見学 中部電力と共同ツアー



大井川鐵道と中部電力、JTBの3社は2020年2月15・16日、井川線(静岡県)の沿線スポットを訪ねる日帰りツアーを共同で実施する。

井川線で使われているアプト式機関車の車庫。【画像:大井川鐵道・中部電力・JTB】

井川線で運用されている日本唯一のアプト式機関車の車庫や、日本初の中空重力式ダムである井川ダムの内部などを見学。「秘境駅」と呼ばれる奥大井湖上駅や尾盛駅も訪ねる。また、井川線の廃止された区間に残るトンネルで昼食を食べる。車庫の見学では、9年に1回実施している機関車のオーバーホールの様子も公開されるという。

2月15日はJR静岡駅発と大井川鐵道千頭駅発のコースを実施。2月16日はアプトいちしろ駅発のコースになる。見学場所はコースによって異なる。

旅行代金(大人)は2月15日のコースが9000円から。2月16日のコースは5000円。申し込みは2月7日までJTBのウェブサイト「Webたびーと」などで受け付ける。

井川線は、大井川鐵道大井川本線の終点・千頭駅から井川ダムの近くにある井川駅までを結ぶ、全長25.5kmの鉄道路線。ダム開発を目的に電力会社の専用鉄道として1935年に開業した。1959年以降は大井川鉄道(現在の大井川鐵道)の手により旅客列車の運行が始まった。

井川線の奥大井湖上駅。【画像:大井川鐵道・中部電力・JTB】

1990年にはダム建設のため一部の区間が急勾配の新ルートに変更。2本のレールとは別に歯形のレール(ラックレール)を設置し、車両の床下に設置した歯車を組み合わせる急勾配を走れるようにしたラック式鉄道の一種であるアプト式を導入した。日本の鉄道の営業路線でアプト式を採用しているのは現在、井川線だけになっている。

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