夜行急行「天草」イメージの昼行ツアー 門司港→熊本、貨物線や筑豊本線走る



JR九州は4月2日、「貨物線も特別走行!SL人吉の客車で行く!客車急行『天草』の旅」と題した日帰りツアーを実施する。昼間に門司港→熊本を走る客車編成の団体列車を設定し、国鉄時代の夜行急行「天草」のイメージで運行する。

「SL人吉」用の50系客車を牽引するディーゼル機関車のDE10形。【画像:ninochan555/写真AC】

運行ルートと時刻は、門司港10時41頃発→門司→陣原→折尾11時30分頃着・11時40分頃発→鳥栖13時31分頃着・14時00分頃発→熊本15時38分頃着。車両は「SL人吉」用の50系客車を使用し、ディーゼル機関車が牽引する。停車駅ではホームでの列車の撮影などが可能。編成後方には機関車を連結しないため、展望台デッキからの景色が楽しめる。

門司~陣原は旅客列車が通常走らない貨物線(鹿児島本線の旧線)を走る。JR九州はツアーの案内で「貨物線走行時は安全のためお座席にご着席いただいた状態でお楽しみください」と呼びかけており、通常の旅客列車より揺れるとみられる。折尾~鳥栖は筑豊本線を経由する。

ツアー参加者には当日の運転士用時刻表レプリカなどJR九州のオリジナルグッズを販売。ツアーオリジナルキーホルダーや熊本~三角の特急「A列車で行こう」のコースターのプレゼントもある。

旅行代金は「4名BOXシート」プラン(定員1~4人)が3万6000円。「2名シート」プラン(定員1~2人)は進行方向席が2万円、進行方向逆席が1万7000人になる。申込みは予約サイト「STORES」で受け付けている。

「天草」は京都~熊本を結んでいた夜行急行。国鉄時代の1956年から1975年まで運行され、A寝台車やB寝台車、グリーン車、普通車で構成された客車編成を機関車が牽引した。関西と九州を結ぶ急行列車のなかでは唯一、筑豊本線経由で運行されていた。

熊本行き急行「天草」(赤枠)が掲載された時刻表。門司から熊本へは途中で鹿児島本線を外れて筑豊本線を経由していた。【引用:『国鉄監修 交通公社の時刻表』1968年10月号、日本交通公社】

1968年10月ダイヤ改正時点の下り熊本行き「天草」の時刻(一部駅省略)は、京都20時10分発→門司7時09分発→直方7時55分発→鳥栖9時02分発→熊本10時31分着。夜行急行だが九州内は午前中に走り、昼行列車としての機能も併せ持っていた。

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