JR東日本は12月2日、田町~品川間の高輪ゲートウェイ駅(東京都港区)を中心とした品川開発プロジェクトの計画エリア内で、「高輪築堤」の一部とみられる構造物が出土したと発表した。
高輪築堤は明治初期、1872年に開業した日本初の本格的な鉄道である新橋(現在の汐留地区)~横浜(現在の桜木町)間の鉄道を敷設するため、海上に構築された構造物。のちに海が埋め立てられたため高輪築堤は内陸寄りの路盤になり、さらに周辺の車両基地整備や線路配線の変更に伴い、築堤は長らく山手線・京浜東北線の線路の下に埋まっていた。
JR東日本によると昨年2019年4月、品川駅改良工事で高輪築堤の石積みの一部を発見。同年11月に実施した山手線・京浜東北線の線路切換工事以降、旧線のレールなどの撤去を行ったところ、今年2020年7月に高輪築堤の一部とみられる構造物が見つかった。
JR東日本は現在、港区教育委員会などの関係者と協議・調査を行っている。今後も調査・研究を進め、地域の歴史価値向上と地域社会への貢献を目指し、築堤の一部の現地保存や移築保存を通じた公開展示などを検討していくという。