JR東海は6月8日、在来線の運転士向けに導入しているタブレット端末「CAST(Crew Assistance System Tokai)」について、老朽化に伴う端末の更新にあわせて機能の向上を図ると発表した。導入範囲も拡大し、業務の効率化やトラブル発生時の対応の迅速化、安全性の向上を目指す。
運転士は現在、担当する列車ごとの編成両数や着発時刻などが記載された紙の業務用時刻表と「CAST」を職場の担当者から受け取り、それらを運転台に設置して列車を運転している。
新型「CAST」は時刻表機能を追加。画面に時刻表を表示するほか、運行計画の変更内容や指令員からの指示内容も反映し、運転に必要な情報を一元的に管理する。これにより紙の時刻表を廃止する。
JR東海によると、乗務前に運行計画が変更された場合、新型「CAST」の導入で紙の時刻表の差替作業が不要に。紙の時刻表を運転士が受け取ったあとに運行計画を変更する場合、現在は指令員などから指示された内容を運転士が手帳に転記しなければならないが、この作業も不要になる。
乗務中に運行計画が変更された場合、新型「CAST」は指令員からの情報に基づき最新の内容に更新する。これにより最新情報を容易に把握できるようになり、余裕を持った運転操縦が可能にるという。
現在の「CAST」は運転士向けだが、新型「CAST」は車掌にも導入。時刻表や津波避難地図などの書類を電子化し、津波避難発生時における対応能力の向上などを図る。
新しい「CAST」は使用開始は来年2024年3月の予定だ。
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