JR東海は5月16日、車体側面にカメラを設置した315系電車の営業運転を6月1日から始めると発表した。画像認識技術の確立に向けた検証を深度化し、長い編成の列車でも車掌が乗務しないワンマン運転の実施を目指す。
JR東海は4両編成の315系の車体側面にカメラを設置し、1月から試験運転を実施している。6月1日からは、関西本線・名古屋~亀山の営業列車にカメラ付き4両編成の315系を投入し、画像認識技術の検証を深度化する。
車体側面カメラは片側で8カ所(1両につき2カ所)に設置。このうち進行方向側のカメラで撮影した映像を運転台のモニターに映し出し、運転士が安全確認を行う。また、全8カ所のカメラを使った画像認識技術の活用も検討。列車に接近した人物などを自動的に検知し、運転士に通知する。
JR東海によると、試験運転では客の利用状況を実態通りに再現することが難しく、技術検証のためのデータ量も限られる。営業列車でさまざまな時間帯や天候における実際のホーム上の状況を撮影してデータを蓄積し、人工知能(AI)に学習させて精度の向上を図るという。
JR東海は車体側面カメラなどにより安全性向上の方策を検討しつつ、3両以上の編成でもワンマン運転を導入していくとしている。
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