広島県・広島市・JR西日本の3者は12月15日、山陽本線の線路切替工事を来年2023年4月16日の夜に実施すると発表した。これに伴い山陽本線と同線に乗り入れている呉線の列車が海田市~広島で運休する。広島市東部地区の線路を高架化する連続立体交差事業(連立事業)の一環。高架橋の建設スペースを確保するための仮線への切替の第1弾になる。
4月16日は20時頃から終列車まで運休し、海田市駅と広島駅で折り返し運転を行う。代行バスが運転されるとみられるが、3者は代行輸送について詳細が決まり次第改めて案内するとしている。
この連立事業は山陽本線・安芸中野~天神川のうち約3.9kmと呉線・矢野~海田市のうち約1.2kmを高架化するもの。まず向洋駅とその前後の約2.0kmを1期区間として2020年10月から準備工事が始まり、昨年2021年6月から工事が本格化している。今年2022年4月には向洋駅で仮設跨線橋と仮設北口駅舎の使用が始まった。
工事は仮線工法を採用。線路の北側に仮設の線路を敷設して旅客列車と貨物列車の上下線(計4線)を順次切り替え、それにより空いた敷地に高架橋を建設する。JR西日本の中国統括本部によると、今回の切替工事では旅客列車の上り線を仮線に切り替えるという。これに伴い向洋駅の上りホームも仮設のホームに移る。
1期区間の高架化は2031年春頃に完成の予定。海田市駅付近の2期区間は2027年頃から工事が始まり、2036年度頃に高架化が完成の見込みだ。
《関連記事》
・山陽本線・向洋駅付近「高架化」6月から工事本格化 海田市駅付近は2027年頃から
・広島市中心部の公共交通「共同経営」認可 路面電車・バスの均一運賃エリアを拡大統合