京急電鉄「最後のドレミファインバーター」1000形1033編成、7月20日で終了



「ドレミファインバーター」最後の搭載車両になった1000形の第1033編成。【撮影:草町義和】

京急電鉄は7月21日、1000形電車の第1033編成が7月20日限りで運行を終了したと発表した。車両の更新改造を受けるため。これにより日本の鉄道から「ドレミファインバーター」搭載車両が姿を消す。

1000形は2002年以降、改良を重ねながら製造が続く京急電鉄の車両。初期に製造された1次車と2次車は、ドイツメーカーのシーメンスが開発した制御装置が搭載された。モーターを制御するインバーター装置だが、インバーターの振動による騒音(磁励音)を音階に聞こえるよう調整しているのが特徴。「歌う電車」とも呼ばれた。

2008年以降、騒音自体を軽減した新型制御装置への交換に伴って「ドレミファインバーター」の搭載車が徐々に減少し、最後に残ったのは1000形の第1033編成だけに。京急電鉄は今年2021年6月、今夏で第1033編成の営業運転を終了すると発表していた。

7月18日には「ドレミファインバーター」搭載車両の引退を記念した第1033編成の貸切イベント列車が運行されたが、京急電鉄は一般の列車での運用終了日は事前に発表せず、事後の報告となった。同社は今後、「ドレミファインバータ」のサウンドを楽しめるコンテンツを検討するとしている。

「ドレミファインバーター」を搭載した車両は、ほかにJR東日本のE501系電車と京急電鉄の2100形電車があったが、E501系は2012年までに制御装置を交換。2100形も2015年までに交換している。

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