中国「貨物新幹線」の高速電車が完成 特徴は大きなドア、最高速度350km/h



中国中車グループの唐山軌道客車で12月23日、貨物列車用の高速電車が完成した。日本では実現していない「貨物新幹線」に相当する。

科技日報や新華社などの現地メディアとレコードチャイナが報じた。モーター付きの4両とモーターがない4両で構成される8両編成。車内は座席が設けられておらず、大きな貨物が搭載できるようになっている。車体側面には幅2.9mという貨物積み卸し用の大きなドアが設けられた。

最高速度は350km/hで、1500kmの距離では5時間以内に到達できる。走行環境の温度はマイナス25度から40度に対応している。600~1500kmの中長距離の高速貨物のニーズを満たすことができるという。

日本では東海道新幹線が計画された際、旅客列車だけでなく貨物列車も想定されていた。東海道新幹線の鳥飼車両基地(大阪府摂津市)付近では、新幹線の線路と貨物駅をつなぐ線路を通すための高架橋が先行して整備されたこともある。

しかし、旅客列車の増加や深夜帯を保守作業時間として確保したことで貨物列車を走らせる余裕がなくなったことや、資金不足の問題などから、貨物列車の運転計画は事実上中止された。近年は旅客列車で農産物などを運ぶ貨客混載の実証実験が行われている。