のと鉄道の一部再開でJR特急「和倉温泉乗り入れ」も再開 乗車券だけで乗れる特例も



のと鉄道とJR西日本は2月9日、能登半島地震の影響で運休中のJR西日本・のと鉄道の七尾線・七尾~穴水33.1kmについて、応急復旧工事が計画通り進んでいるとして、従来の発表通り2月15日に一部区間の運転を再開すると発表した。JR特急の和倉温泉駅への乗り入れも再開する。

JRの特急も発着する七尾線の和倉温泉駅。【画像:nozomi500/写真AC】

運転を再開するのは七尾~和倉温泉~能登中島16.3km。のと鉄道が上下各8本の普通列車を七尾~能登中島で運行し、当面のあいだは速度を落として運行する。代行バスは運行区間を能登中島~穴水とし、上下各8本を運行。いずれも能登中島駅で普通列車に連絡する。

金沢方面~和倉温泉のJR特急列車は上下各2本が七尾駅まで運転を再開しているが、2月15日からは「能登かがり火1~8号」「サンダーバード17・20号」の上下各5本とし、和倉温泉駅への乗り入れも再開する。ただし「能登かがり火2・7号」は七尾駅までの運行で七尾~和倉温泉は運休。「花嫁のれん」は上下とも金沢~和倉温泉の全区間で引き続き運休する。

このほか、七尾~和倉温泉は2月15日から当面のあいだ、乗車券や定期券だけで特急列車の普通車自由席を利用できるようにする。ただし特急列車で七尾~和倉温泉と羽咋・金沢方面をまたがって乗車する場合、全乗車区間の特急料金が必要だ。のと鉄道とJR西日本は七尾~和倉温泉の普通列車が少ないため、特急列車を利用できる特例を設けるとしている。

のと鉄道の七尾線・能登中島~穴水は引き続き運休する。のと鉄道とJR西日本は同区間について、これまで4月中の再開を目指すとしていたが、2月9日の発表では4月上旬の運行再開を目指すとし、再開時期を絞った。

七尾線の再開スケジュール。【画像:国土地理院地図、加工:鉄道プレスネット】
西岸駅を含む能登中島~穴水は4月上旬の再開を目指す。【撮影:草町義和】

能登半島を縦断する七尾線・津幡~穴水はJR西日本が線路を保有し、金沢方面~七尾の普通列車と金沢方面~和倉温泉の特急列車を同社が運行。七尾~穴水ではのと鉄道がJR西日本から線路施設を借り入れて普通列車を運行している。1月1日に発生した能登半島地震の影響で線路のゆがみや土砂流入など甚大な被害が発生し、JR西日本・のと鉄道ともに運転を見合わせた。

JR西日本の運行区間のうち津幡~七尾は1月22日までに運転を再開。被害が大きかった敷浪~羽咋は減速運転を実施していたが、2月9日の始発から通常の速度で運行している。

《関連記事》
のと鉄道の一部再開「2024年2月15日」に、全線再開もめど 能登半島地震で運休中
のと鉄道「代行バス」朝夕のみ運行、全線走行は上下各2便