阪急電鉄ホームドア・固定柵「全駅設置」へ バリアフリー料金導入で実質値上げ



阪急電鉄は8月3日、「鉄道駅バリアフリー料金制度」を2023年度に導入すると発表した。2023年4月1日から運賃にバリアフリー料金を加算し、実質値上げする。これにより同社は全駅に可動式ホーム柵(ホームドア)か固定式ホーム柵を整備する。

阪急線の中津駅。【画像:Kizzgawa/写真AC】

阪急電鉄は8月3日、国土交通省近畿運輸局にバリアフリー料金の設定とバリアフリー整備・徴収計画を届け出た。神戸高速線を除く阪急線の全線に適用する。加算額は普通券が10円。通勤定期券は1カ月が380円で、3カ月は1080円か1090円、6カ月は2050円または2060円を加算する。通学定期券には加算しない。届出上の料金収受期間は2023~2035年度だが、これ以降も継続する予定。

バリアフリー整備・徴収計画によると、まず2026年3月までにホームドアを8駅24番線に整備。固定式ホーム柵も14駅25番線に整備する。続いて2026年4月から2036年3月にかけ、58駅143番線にホームドアを整備し、3駅8番線に固定式ホーム柵を整備する。ほかにもエレベーターや車両のフリースペースの整備を順次進める。

ホームが狭いことなどがネックになってバリアフリー化が進まなかった駅のうち、春日野道駅は本年度2022年度中にホームドアを設置を含むバリアフリー設備の整備を完了する予定。中津駅もバリアフリー料金の導入にあわせ、ホームドアを整備するとともにエレベーターの設置などでバリアフリー化を図る。

ホームドアは今年2022年8月時点で十三駅(3~5番線)と神戸三宮駅に設置済み。同社はバリアフリー料金の導入により、2040年度末頃までに全駅にホームドアか固定式ホーム柵を設置することを目指す。

阪急電鉄によると、バリアフリー設備の整備費は2021~2035年度で900億円を超える見込み。整備を早期に進めるため鉄道駅バリアフリー料金制度を活用することにしたという。

《関連記事》
阪急の春日野道駅も改良へ 西側に改札とエレベーター、「狭いホーム」にホームドア
阪急淡路駅の高架化「4年延長」「事業費1.4倍」に 大阪市が増額要因など明らかに