函館市は4月2日、函館市電の30形電車「箱館ハイカラ號」を本年度2025年度は定期運行しないと発表した。

「箱館ハイカラ號」は例年4月中旬から10月にかけ、土曜・休日を中心に運行されている。函館市によると、現在は「箱館ハイカラ號」で使用する一部の部品の入手に非常に時間がかかっており、運行シーズン途中で部品が不足する可能性があることから、2025年度は定期運行を取りやめることにしたという。
貸切運行は4月15日から実施するが、函館市は「部品が不足した場合には、貸切運行も取り止めとなります」として条件付きの運行であることを示している。

「箱館ハイカラ號」は1910年、千葉県の成宗電気軌道(のちの成田電気軌道、現在の京成バス千葉イースト)の路面電車として製造された電車。のちに函館に移り、1937年には「ササラ電車」こと除雪車に改造された。1993年、レトロ風の旅客車に再改造されて運行を開始した。
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