東武特急500系「リバティ」6編成増備、50両突破へ 2021年度設備投資計画



2021年度は6編成が増備される500系「リバティ」。【撮影:草町義和】

東武鉄道は4月30日、本年度2021年度の鉄道事業設備投資計画を発表した。500系特急型電車「リバティ」の増備などを行う。総額は241億円。

線路を高架化する連続立体交差事業は引き続き4カ所で推進する。伊勢崎線(東武スカイツリーライン)竹ノ塚駅付近は2020年度までに上下急行線の高架化が完了している。2021年度は上下緩行線の高架化と駅舎工事を推進し、2カ所の踏切解消と竹ノ塚駅の高架化を目指す。

竹ノ塚駅の高架化完成後のイメージ。【画像:東武鉄道】

野田線(東武アーバンパークライン)の清水公園~梅郷間は2020年度に高架化が完了し11カ所の踏切解消と愛宕駅の新駅舎整備が完了した。2021年度は地上線の撤去を進める。野田市駅は新駅舎の整備とホーム増設(2面4線化)の工事が引き続き行われ、2023年度に完成の予定だ。

野田市駅で引き続き工事中の新しい駅舎。【画像:東武鉄道】

東武スカイツリーラインのとうきょうスカイツリー駅付近の高架化は、2024年度の完成を目指して工事中。2021年度は上り線の高架橋工事が行われる。東武スカイツリーライン・東武アーバンパークラインが交差する春日部駅付近の高架化は2019年12月に事業認可を受けており、駅周辺施設の撤去や移設などの準備工事が始まっている。2021年度は春日部駅の東側で仮線工事に向けた準備工事が行われる。

2021年度のホームドア設置駅は竹ノ塚・獨協大学前・越谷(2・3番線ホーム)の3駅の予定。このほか、小菅・五反野・梅島・西新井(4・5番線ホーム)・谷塚・草加・(3・4番線ホーム)・新田・蒲生の8駅で調査・設計が実施される。東武アーバンパークラインの七里駅で計画されている駅舎の橋上化は2023年度の完成予定。2021年度は仮駅舎の設置工事が行われる。

七里駅(橋上駅舎)の完成イメージ。【画像:東武鉄道】

車両は2021年度、500系「リバティ」を6編成増備する。東武日光線の南栗橋以北で運用する20000系電車のリニューアル編成は3編成を導入する。東武鬼怒川線のSL列車「SL大樹」は2021年度、C11形蒸気機関車の2両体制による毎日運転と「SL大樹『ふたら』」の東武日光駅への定期運行をC11形の増備・3両体制での運行開始を目指して準備を進める。

20000系のリニューアル車。【画像:東武鉄道】
C11形2両体制になったSL列車「SL大樹」。【画像:東武鉄道】

「リバティ」は1編成3両の特急型電車。利用状況に応じて複数の編成をつないだり、行き先が異なる複数の列車を連結して運転できる。2017年に24両(3両編成8本)がデビューし、2020年にも9両(3両編成3本)が増備された。2021年度の増備で合計17編成になり、車両数は50両を超え合計51両になる見込みだ。

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