東武鉄道は12月21日の夜、東京都墨田区内の伊勢崎線(東武スカイツリーライン)・とうきょうスカイツリー駅付近で、現在の線路を仮設の線路(仮線)に切り替える工事を始めた。2018年から始まった高架化工事の一環。
21時10分頃、とうきょうスカイツリー駅の東側にある踏切 (伊勢崎線第2号踏切) を列車が通り過ぎたところで線路が閉鎖され、東武スカイツリーラインの浅草~とうきょうスカイツリー~曳舟間が運休。しばらくすると、線路脇に設置された照明が一斉に点灯した。
線路上に作業員が姿を現し、ただちに作業を開始。20人以上の作業員がレールの脇で一列に並んで棒をレールに当て、「エイッ、エイッ、エイッ」という掛け声にあわせて棒を動かし、レールの位置を変える作業などが行われていた。
切替工事は12月22日の始発列車までに完了する予定。列車は従来の線路の北側に整備された仮設の線路を走るようになる。
この工事は、とうきょうスカイツリー駅付近の約0.9kmを高架化して踏切1カ所(伊勢崎線第2号踏切)を解消し、道路渋滞の緩和や安全性の向上を図る連続立体交差事業の一環だ。2016年3月の都市計画決定と2017年6月の事業認可を経て、2018年1月から工事に着手。これまで仮線の敷設工事が進められてきた。
この高架化工事では「仮線工法」という工事方法を採用。まず第1段階として、現在の地上の線路の脇に仮線を敷き、列車が走る線路を仮線に切り替える。第2段階では、仮線に切り替えるまで使っていた線路を撤去し、その跡地に高架橋を建設。最後に列車が走る線路を仮線から高架橋の線路に切り替える。
また、この連続立体交差事業では、とうきょうスカイツリー駅も曳舟寄りに約150mほど移転。現在は1面2線の島式ホームだが、完成後は棒線ホーム(上り線)と島式ホーム(下り線と入出庫線)を組み合わせた2面3線の構造になり、同駅の北側にある留置線も高架化される。
連続立体交差事業としての事業期間は、2023年度末までの予定だ。