「東京駅」と聞いて、多くの人は駅の西側(丸の内側)にある巨大な赤レンガ駅舎を思い浮かべるかもしれない。南北に大きなビルがたち、商業施設が充実した東側の八重洲口を利用している人も多いだろう。このほか、高速バスの降車地点として存在感を増している北の日本橋口もある。
しかし、東京駅の出入口は丸の内・八重洲・日本橋の3カ所だけではない。駅の南側を通る鍛冶橋通りにも東京駅の出入口がある。
道路脇にある出入口は、一見するとむちゃくちゃショボい。屋根が透明なドーム型になっていて、駅名表示もドームの形状にあわせて文字を配置するなど少し凝ったデザインだが、どこかの農家にあるビニールハウスくらいの大きさしかない。まるで地下鉄の出入口のようだ。
なかに入ると、実際に地下へ降りる階段が設けられているが、通路の幅は数人分くらいしかなく、ちょっとでも混雑すると身動きできなくなりそうだ。
この狭い通路の階段を降りていくと、目の前に現れるのは京葉線のコンコース。同線の東京駅ホームは、山手線や新幹線のホームが並んでいる場所から数百m離れた地下の奥深くにある。そのため、このホームの上を通っている鍛冶橋通りとその周辺にも、京葉線ホームに通じる出入口が複数設けられた。
京葉線ホーム周辺の出入口は東京国際フォーラムなどが近くにあり、有楽町駅も歩いて数分のところにある。東京駅の南側に用事があるなら便利な出入口だ。